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『ドリーム』

ドリーム

2016年 アメリカ映画。実話をもとにした作品

この作品は文句なく楽しいし、気分がよくなる。
NASAのラングレー研究所で働く黒人女性たちのお話。
当時のNASAという職場は、エリート意識をもった白人男性がほとんどで、女性に対する差別意識、黒人に対する差別意識を持った人たちばかり。
そんな職場環境の中で、理不尽な待遇にブチ切れそうになりながらも、それに負けず、並外れた数学の能力を武器に、NASAの宇宙開発になくてはならない存在になっていく黒人女性キャサリン、ドロシー、メアリーたちの活躍が最高!

時期は1961年。
ケネディ大統領が就任した年だ。
冷戦期の真っただ中。
宇宙開発競争においては、ソ連が一歩リードしていた
すでにソ連は1957年にスプートニク1号の打ち上げに成功している。
この作品の中でも、1961年4月、ソ連は初の有人人工衛星ヴォストーク1号の打ち上げに成功したニュースを見るNASAの人たちの場面がある。
これに対して、5月、ケネディが「1960年代のうちに、人間を月に送り、安全に地球に帰還させる。」という演説を行った。

宇宙開発競争が過熱する。
当然NASAにプレッシャーがかかる。
有人宇宙飛行計画のマーキュリー計画を成功させなければならない。

宇宙開発には膨大な計算が必要で、コンピューターの導入の以前はその気の遠くなるような大変な作業を人間がやっていた。
文字通りのcomputer、つまり計算手が宇宙開発事業を支えていたのだ。


しかし、計算手の仕事はまるで下請け。
西エリアの計算グループという部署で、黒人女性中心に膨大な計算の仕事を請け負っていた。
そこから宇宙特別開発本部(STG)という、エリートの白人男性ばかりの部署に抜擢された黒人女性のキャサリン。
しかし、STGには黒人女性が使用できるトイレはなく、いちいち800m離れた西エリアのトイレに走って往復しなければならなかった。
理不尽な待遇が続く中、キャサリンの仕事ぶりは上司のハリソン(ケビン・コスナー)も認めるようになり、宇宙飛行士のグレンからも信頼されるようになる。

そして、1962年、マーキュリー・アトラス6号の打ち上げ成功!

*********

能力のあるものが最大限にその能力を発揮するのをみるのは気持ちがいい。

学位をとるための学校が白人専用であるため黒人は入学できない、とか、前例がないから黒人は管理職になれない、などという壁を、彼女たちは強い意志をもって取っ払っていく。

1961年ということは公民権法成立(1964年)以前の話。
その頃のアメリカの職場の様子がよくわかった。
この職場環境の中で、キャサリン、ドロシー、メアリーたちのような黒人女性が見せた頑張り。
素敵でした。

プロフィール

萩谷功枝

Author:萩谷功枝
世界史教師をしています。

映画や本の紹介、最新のニュースから感じたこと、など自分の日常を通して、世界史のことを考えていけたらと思います。

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