私の好きな映画10選

諸事ごたごたがありすぎて2か月以上ブログが更新できませんでした。
本日より再開します。

2017年最初のブログは、『私の好きな映画10選』です。
動機は生徒のN君から「おもしろい映画があったら教えてください。」といわれたこと。

公開中の映画を見に行きそこなって、TSUTAYAでDVDを借りてきたり、wowowで放映されたものを録画して見ることの多い私ですが、作品の選び方の一つにランキングの利用があります。「おすすめ映画」とか、ジャンルを絞って「戦争映画」「脱出モノ」などのキーワードを入れれば、「NAVERまとめ」やいろいろな方々のブログがヒットしてくるので、それを参考にしています。

で、自分が見てよかったと思うものならば人に薦められると思い、自分なりのランキングを作成してみよう、というのが今回の試みです。大好きな作品について、自分なりの感想を書いて、若い世代に紹介してみたいと思うのです。
まずは20世紀の作品に絞って、10作品を選びました。まさに古い映画の掘り起しです。(21世紀の作品のランキングも後日、作成する予定です。)
世界史教師をしているので、歴史ものに絞ることも考えたのですが、若い世代に見て欲しいという点では「ショーシャンク」と「グッド・ウィル・ハンティング」はどうしても外せなかったので、「私の好きな映画10選」というタイトルにしました。

1.ショーシャンクの空に     (1994)
 ストーリーの展開は激動で、途中、「えっ!」「えっ!」の連続なのに、淡々とした描き方で映画は進行していき、そして、見終わった後、なんだかわからない感動がジワッときた。見た翌日もそのまた翌日もいろいろな場面を思い出しては、「よかったな。」などとつぶやいて、作品の余韻に浸った。
無実の罪で投獄された主人公アンディ(ティム・ロビンス)が脱獄をはかるものなのだが、モンテクリスト伯のようなドロドロとした復讐劇ではない。主人公はあまりにも理不尽な運命にさらされるのだが、感情的になって悲嘆したり、絶望したりはせず、淡々とした態度をとりつつ、しかし諦めずに打開の方法を見出していった。彼の粘り強さ、不屈の魂に圧倒される。人間とは強いものなのだ、そして人間の心は自由であるべきなのだ、と思った。
私は自分の状況があまり良くないとき、この作品のことを思い出してみる。そして、アンディの忍耐強さのことを頭に浮かべる。すると、なんだか励まされる。
モーガン・フリーマンが出演する作品を見たのはこれが初めてで、すごい役者だなと思った。

2.グッド・ウィル・ハンティング (1997)
 天才的な数学の才能を持つアルバイト清掃員のウィル(マット・デイモン)が、それを見出してくれた教授に対してどうしてひねくれた反抗的な態度をとるのか、「なぜ?」と思いながらみているうちに、やがてウィルには幼児虐待を受けて育った過去があり、人の好意を素直に受け入れられなくなっていることがわかる。そして、ショーン教授の、「It’s not your fault.」(君のせいではない。君は悪くない。)という言葉で、閉ざしていた心を開いていく。この時の、マット・デイモンの表情が魅力的だ。
ラスト。「俺は彼女を選ぶ。」というウィルの残したしゃれた置手紙を読んだショーン教授が「マネしやがって!」とニンマリする。そして、いつものようにウィルを迎えにきた親友のチャッキーが、ウィルが旅立っていったことを知って、玄関の階段をトントンと嬉しそうに降りてくる。私はこの時のショーン教授(ロビン・ウィリアムズ)とチャッキー(ベン・アフレック)の表情がたまらなく好きだ。

3.ライフ・イズ・ビューティフル(1997)
 幸せに暮らしていたユダヤ人一家が、ナチス=ドイツにより収容所に送り込まれるという、壮絶な時代背景なのだが、親子の愛を軸にあてて描いている。幼い息子を不安がらせないために収容所の中でも明るくふるまうグイド。ラストの「父さんは命がけで僕を守ってくれたんだ。」に泣ける。

4.サウンド・オブ・ミュージック (1965)
 私の世代にとってはあまりにも有名な作品で、「ドレミの歌」、「エーデルワイス」「すべての山に登れ」はだれでも知っている歌という認識でいたのだが、意外にも若い世代にとってはそうではないらしい。あんまり押しつけがましく言うと嫌がられるが、この作品はぜひ見て欲しいな。ついでに、時代背景として、1938年のドイツのオーストリア併合の時、大勢がヒトラーに従ってしまい、むしろトラップ大佐のように命がけで、ヒトラーに従うことを拒否した人物は少数だったということも知っておいてほしい。

5.追憶             (1974)  
 1950年代、アメリカでは共産主義者への攻撃・マッカーシズムが吹き荒れた。そんな時代を背景にしたケイティ(バーブラ・ストライサンド)とハベル(ロバート・レッドフォード)の物語。あまり美人でないバーブラ・ストライサンドとメチャかっこいいロバート・レッドフォード。こういう言い方をすると、そういうくくり方はするなと批判されそうだが、やはりこの組み合わせが絶妙。美男美女のカップルより味がある。
みんなこの時代を懸命に生きたのだな。そしてそうやって生きた時間は振り返ったときにいとおしい。

6.ブレイブ・ハート (1995)
舞台は13世紀末のイギリス。強国イングランドの横暴な支配に抵抗し、独立を求めるスコットランドの英雄ウィリアム・ウォレス(メル・ギブソン)を描いた作品。教科書に模範議会を開いたことで載っている英王エドワード1世が悪王として登場し、「初夜権」とかいうわけのわからん横暴な特権を行使するところあたりが、やりたい放題だった中世の王様らしい。それに抵抗して、ラストで“Freedom!”と叫ぶウォレスに感動する。
1990年代にはこの映画の影響もあり、スコットランドの独立を求める動きが盛り上がったのだという。結果的に否決されたけれども、2014年9月、スコットランドの独立の可否をめぐる人民投票が実施されたことも記憶に新しい。イングランドとスコットランドが抱える問題は古くて新しいのだ。


7.グラディエーター       (2000)
グラディエーターとは、コロッセウムで見世物として競技を行う剣奴のこと。舞台はローマ帝政期の大繁栄期、五賢帝時代の最後の皇帝マルクス=アウレリウス=アントニヌス帝時代。五賢帝時代は、帝位継承を優秀な人物に託す養子相続だったので、5人もすごい皇帝が続いたのだが、アウレリウス帝の実子コモドゥスは、帝位を狙って、将軍マクシマス(ラッセル・クロウ)を陥れ、剣奴にまで貶めてしまう。
卑怯なコモドゥス、正義を貫くマクシマスという対立の構図はわかりやすいし、ローマ帝国時代の様子を想像するのに役立つので、歴史物の映画としておすすめできる作品です。

8.キリング・フィールド     (1984)
上映時間141分という大作なので、見る気で見ないと途中、集中力が持たない。が、この作品の素晴らしいのは、ディス・プランが過酷な状況の中で生き抜くさまを描いている後半。カンボジアは1976~79年の4年間、ポル・ポト政権下で信じられないような滅茶苦茶な政策が行われた。知識人は弾圧され、農村で強制労働をさせられた。(眼鏡をかけた教師は真っ先に殺されたというので、その時代のカンボジアにいたら、私は最初に銃殺されているだろう。)
ラスト。タイ国境にまで逃げ延びたプランが、新聞記者のシャンバーグとの再会を果たした時に流れる「イマジン」で、ボロボロに泣けてしまう。

9.プライベート・ライアン    (1998)
トム=ハンクスの映画を何かランクインさせたかったので、選んだのがこの作品。
〔「フォレスト・ガンプ」は大好きな作品だったのだけれど、同時代を生きてきた私たちはCGで作った偽映像、例えばフォレストがケネディ大統領に面会したり、世界卓球、ワシントン大行進で活躍するなどのありえない映像に笑ってしまうのだが、若い世代は「エ?ホント?」と、戸惑うかもしれない。フォレストが隣のビルからウォーターゲート事件を目撃するという勝手な作り話も時代の経過を確認することができて楽しめるのだが、今の若い世代は同じようには反応できない(ピンとこない)と思ったので外した。〕

で、前置きが長くなってしまったのだが、「プライベート・ライアン」は、第二次世界大戦におけるノルマンディー上陸作戦の様子がよくわかり、戦争映画の中で、私のベスト1なので選んだ。リーダーが人格的に尊敬できる人物でないと、部隊はまとまらない。生死を共にしている戦争においてはなおさらで、任務に疑問を抱き始める隊員をまとめていくミラー中尉役にトム=ハンクスはぴったり。
ライアン役のマット・デイモンも初々しくていい。
それにしても、ノルマンディー上陸作戦において、最初に上陸をした兵士たちはまるで捨て駒のようだなと思った。そんな使われ方をされるのはたまったものではない。戦争とは非情であり悲惨なものだ。

10.ダンス・ウィズ・ウルヴズ   (1990)
19世紀半ばのアメリカ西部。白人兵士と先住民の交流。かつての西部劇は、『駅馬車』に見られるように、インディアン=野蛮という設定でストーリーが展開した。白人の残虐行為を描いた『ソルジャー・ブルー』(1970年)やこの作品あたりから、描き方が変わってきた。考えてみれば、先に住んでいたのは先住民で、後から来た白人が彼らの居住地を奪っていったのだ。
この作品では主演のケビン・コスナーが素敵。観客1匹の狼だけという誰もいない状況の中で、焚き火の周りをダンスするシーンでは彼のかっこよさに惚れ惚れする。

プロフィール

萩谷功枝

Author:萩谷功枝
世界史教師をしています。

映画や本の紹介、最新のニュースから感じたこと、など自分の日常を通して、世界史のことを考えていけたらと思います。

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