『海街diary』

前回、『ブーリン家の姉妹』について書いたら、それを読んだ長女から、
「長女が性格がいい物語ってあるかな。」というつぶやきメールが届いた。

たしかに、物語ではあんまりないかも。
『リヤ王』もひどい姉たちと心優しい末娘という設定だったし・・。
だとしても、長女は性格が悪い、ということにはならないわけで・・。

で、何となく姉妹についてあれこれ考えてしまった。
生まれもっての性格というのもあるかもしれないけれど、生まれた順番が性格に影響するということはあるだろう。長女はどうしても初めての子だから、親も慎重になるし、下の子のときは慣れもあるし、忙しくってかまっていられないから、上の子の時と比べて大胆な(いい加減な)子育てになるやすい。上の子は下の子の面倒を見させられる。
などなどの事情から、長女はしっかり者になり、末っ子は甘えん坊になりやすい、という傾向はあると思う。

若草物語、細雪(読んでないけど)、姉妹の話はいろいろある。
浅井長政・お市の方の娘である茶々、初、江の三姉妹、または「宋家の三姉妹」など、歴史の中での有名な姉妹もいる。
そんな中で、今回書きたいと思ったのは、『海街diary』。
ストーリーの重い歴史ものに少々疲れてしまって、見ていて心がほっこり来るような、やさしい気持ちになれるような作品にふれたいと思ったのだ。

姉妹の話です。
いい人たちばかりが登場する作品です。

長女の幸(さち、綾瀬はるか)、次女の佳乃(よっちゃん、長沢まさみ)、三女の知佳(ちか、夏帆)の三人姉妹が住む鎌倉の家に、異母妹のすず(広瀬すず)が一緒に暮らすようになる。
三姉妹にとっては、すずは自分たちの家庭から父親を奪い取った女性の娘ということになる。
すずの母親が死んだあと、父親は洋子さんという女性と一緒になったが、その父親も亡くなってしまい、その葬儀の時に、洋子さんとそれほど折り合いのよくないすずに、長女の幸が「一緒に暮らそう」ともちかけ、鎌倉での4姉妹の生活が始まったのだ。

すずは明るくしっかりした子で、異母姉たちとの生活になじんでいくが、時折、自分の存在そのものに苦しくなる。自分の母親がこの姉たちの家庭を壊したわけだから。
そんなすずに対して、三人の姉たちはそんなことは関係ないとばかりに、ごく普通に、自然な態度で生活を続ける。
すずが辛くなったとき、「ここにいていいんだよ。」とすずを抱きしめた幸のやさしさがいい。


海と山に囲まれ、古い木造住宅の並ぶ鎌倉の街並み。
周りのみんながやさしい人たちばかり。くちげんかはしょっちゅうだけれど、仲の良い4人の姉妹。
見終わって心がほっこりとした作品でした。

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萩谷功枝

Author:萩谷功枝
世界史教師をしています。

映画や本の紹介、最新のニュースから感じたこと、など自分の日常を通して、世界史のことを考えていけたらと思います。

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