『罪の声』

『罪の声』 (2020)
罪の声

35年前の食品会社脅迫事件の真相に迫るサスペンス・ドラマ。
出演:小栗旬 星野源
原作:塩田武士
監督:土井裕泰
音楽:佐藤直紀
脚本:野木亜紀子

星野源がいい。小栗旬がいい。
原作と脚本が素晴らしい。

モチーフとなったのは1984年・1985年に起こった誰もが知るグリコ・森永事件。
当時まだ幼かったり、まだ生まれていないという若い方々も、この事件の名称は聞いたことがあるのではないだろうか。作品は、そういう若い方々にもわかりやすく入り込めて、35年という時の経過を経て、事件がそれぞれの人々にどのようにかかわっていったのかを解き明かしていく。

ヒューマン・ドラマとしても、阿久津英士(小栗旬)が新聞記者として、なんのために報道をするのかを考える様子、京都でテーラーを営む曽根俊也(星野源)が、家族を守ろうとしながらも、事件とのかかわりを知り、向き合っていこうとする様子がとてもいい。

おすすめ度:★★★★★

(追記)
この作品のもう一つの楽しみ方。
出演している俳優陣が豪華です。若い方は、主役の小栗旬星野源、最近の作品でもよく見かける松重豊,NHK BSプレミアムこころ旅でおなじみの火野正平はわかるとしても、その他の出演者はよく知らないかもしれませんが、私たち世代にとっては、顔と名前が一致する俳優がいっぱい出てきて楽しいのです。例えば、梶芽衣子浅茅陽子正司照枝。皆さん、最近お見掛けしなくなっていたけれど、年を重ねていっても素敵で、お元気そうで何よりと思いました。
「この人知っているはずだけれど、誰だっけ?」と思ったのが、桜木健一佐川満男。そして、重要な役どころなのに、最後まで「この人と誰だっけ?」と思って調べてしまったのが、宇崎竜童。調べた後で、思わず、わからなくて、すみませんでした、と心の中で思った。



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KCIA 南山の部長たち

 2020年の韓国映画
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この作品は、1979年に起きたパク・チョンヒ(朴正熙)大統領暗殺事件を取り上げた実録本「南山の部長たち」を基に事件前40日を描いたフィクションである。
「南山」とは中央情報部のあった場所。韓国初の情報機関“中央情報部”は強力な権限を武器にパク政権を支えた。大統領に次ぐ権力を持つ中央情報部の歴代部長は“南山の部長たち”と呼ばれ、恐れられた。
登場人物は微妙に名前を変えているが、イ・ビョンホン演じた暗殺実行犯のキム・ギョンピンはもちろんキム・ジェギュ(金載圭)

彼は18年間の長きにわたった軍事独裁政権に終止符を打った民主化運動の愛国者なのか?
それとも、大統領の信頼が自分から警護室長に移っていくことで、自分が排除されることへの不安から凶行を行った自分本位の人物だったのか?

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ここでちょっと世界史講座:「暗殺について」
世界史上、いちばん有名な暗殺事件はサライェヴォ事件だろう。
反オーストリア感情をもつセルビアの一青年によるオーストリア皇太子夫妻の暗殺事件は、第一次世界大戦勃発の引き金となった。
事件の背景は、ボスニア・ヘルツェゴヴィナという地域(現在は国家です。)をオーストリアが併合したことで、セルビア人のオーストリアに対する反発が増幅したことだった。

これは異なる民族同士の対立から起きたものであるが、世界史上の暗殺事件は、同じ国民、同じ民族のなかでの、考え方の違いにから起こったものが多い。
リンカーン大統領を暗殺したのは南北戦争の結果に不満を持つ、南部連合の支持者だった。
ガンディーは、独立に際して「ヒンドゥーとイスラームが融合したインド」をめざしたが、ムスリムに対する譲歩など考えることができない狂信的なヒンドゥー原理主義者から暗殺された。
中東問題関連では、エジプト・イスラエル平和条約を締結したエジプトのサダト大統領はイスラーム復興主義過激派の軍人によって暗殺された(1981)。
パレスチナ暫定自治協定に調印し、中東和平に踏み切ったイスラエルのラビン首相は、ユダヤ教徒急進派に暗殺された(1995)。
ケネディ大統領暗殺については、いまだに謎であるが、暗殺実行犯オズワルドの背後には、ケネディの方針に不満を持つ一部のCIAの策動があったとする説が出てきている。一部のやったことであるにしてもCIAが企てたのだとしたら、まさに直属の組織による犯行ということになる。
そして、パク・チョンヒ大統領暗殺は側近中の側近キム・ジェギュ(金載圭)によるものだった。
案外、身内によるパターンが多い。

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作品に話を戻す。

歴史的事実を扱ったものなので結果はすでにわかっている。
しかも、作品の冒頭は、暗殺の行われた1979年10月26日、宮井洞(クンジョン)設宴所に、パク大統領とキム部長が入っていく場面である。そして、40日前にさかのぼり、暗殺に至るまでにどのような経過があったのか、ということを描くという構成。

この作品は、キム部長が暗殺を決意するまでの状況に納得がいくだろうか?
ということが、テーマであるように思う。
どういう立場で作品を制作したのか?
キム部長に同情的であるのか、批判的なのか、あるいは、歴史的事実を客観的立場で描こうとしたものなのか?

すごく単純に、パク大統領=独裁者、キム部長は独裁者を倒した人物という形で描かれているのならわかりやすいのだが、そういう描き方でもない。
暗殺を行ったキム部長をイ・ビョンホンが演じているので、つい彼に肩入れしてみてしまうのだが、パク大統領を演じているのもイ・ソンミンという、「ミセン(未生)」のオ課長や「工作」のリ所長など、私の好きな作品の中で極めて重要な“いい人”を演じている俳優をあてているのだ。
(クァク室長はまさに悪役で、わかりやすい。)

後半に入ったあたりでパク大統領の独裁者ぶりがわかりやすくなる。
プサン(釜山)からマサン(馬山)へと拡大した民主化を求める学生や市民のデモ(釜馬民主抗争)に対して、クァク大統領警護室室長のいった「暴徒は戦車でひき殺してしまえばいい。」という発言に対して、パク大統領は
「その通りだ。私が発砲命令を下せばだれも文句は言えない。何人か捕まえて、デモの黒幕にしたてろ。」と言い放った。
このあたりから、キム部長の、大統領と警護室長に対する不信感が強くなっていく。

そして、パク部長の心が大統領暗殺に向かっていくラスト30分はハラハラ・ドキドキで目が離せなくなる。

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ここで再び世界史講座:「開発独裁」

パク大統領は1961年にクーデタで政権を握り、63年に大統領となった後、1965年、国内の反対を押し切って日韓基本条約を締結した。これにより韓国は日本から有償・無償の経済援助を受け、「漢江(ハンガン)の奇跡」と呼ばれる経済発展を遂げた。
パク大統領は韓国の経済発展の立役者と言っていい。
しかし、18年もの長期政権というのは、権力維持のために反対勢力をかなりつぶしているはずなので、相当な膿が溜まっている。
1973年には野党指導者キム・デジュン(金大中)を東京で拉致するという金大中事件を起こした。このあたりから民主化運動への弾圧が強くなっていく。
1979年10月には最大野党の新民党総裁のキム・ヨンサム(金泳三)総裁を辞職させたことで、釜馬民主抗争が起こり、これに対して、パク大統領はこの作品で描かれているような対応をした。
**
「開発独裁」という言葉がある。
簡単に言ってしまえば、開発のためには独裁が必要なのだという考え方。
たしかに開発独裁によって経済発展は遂げられた。
しかし、その発展は親族企業の優先、外国資本との癒着など、偏った構造を生み、大部分の国民には利益は還元されないという歪みを持っていた。
多くの開発途上国に見られた開発独裁は、国民の成長とともに高まっていった民主化闘争により、1990年代までにはいずれも崩壊していった。

韓国の場合、パク政権は暗殺という形で幕を閉じ、その後、もっと酷いチョン・ドゥホァン軍事政権が成立してしまい、この間、民主化を求める人たちに対する酷い弾圧により、多数の犠牲者を出すことになるのだが、その政権も1987年の民主化闘争により倒れた。

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キム部長は、パク大統領暗殺というところまでは完遂した。
が、その後の政権掌握というところまではできなかった。
作品を見ていると、参謀総長を味方につけておけばよかったのに、とか、暗殺実行後、南山に車を進めていたらよかったのに、などとは思ってしまう。
結局、暗殺実行後、キム部長の乗った車は陸軍本部に向かい、そこで逮捕された。

現実のキム・ギュテは裁判で、暗殺の目的は、「国民が犠牲になるのを防ぐことでした。」と言っている。
動機の根底にはそういう気持ちはあったと思う。
しかし、作品を見て私は、キム部長が暗殺という手段に至ったのは、民主化を弾圧するパク大統領との間で、考え方の違いが次第に深まり、クァク室長を重用する大統領からはずされ、やがて自分の存在自体も消されてしまうだろうという危機感から追い詰められていったのだろう、と思った。

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軍事力も持たない個人が暗殺を企てたとして、暗殺自体は成功したとしても、その後、暗殺実行犯が政権を握ることができたという例はない。
暗殺という手段は割に合わない。
暗殺によってその後の世の中がより良くなったという例もない。
サライェヴォ事件、五・一五事件、二・二六事件のその後、どういう時代に突入したのか、
サダト暗殺、ラビン暗殺後の中東情勢の混迷を見れば明らかである。
ケネディ暗殺後のアメリカはベトナム戦争という泥沼にはまっていった。
韓国も、パク大統領暗殺後、チョン・ドゥホァン軍事独裁政権による民主化勢力への弾圧が待っていた。

ろくなことがおこらない。

唯一、暗殺が成功していたら良かったのに、と思うのは、ヒトラー暗殺だけだ。

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(追記)
暗殺はテロ行為なので、起きてほしくないことだ。
ただし、暗殺を扱った作品は面白い。(不謹慎ないことを言ってすみません。)
このブログでも暗殺関連の過去記事がいくつかあるので、よかったらお読みください。

ワルキューレ
NHKスペシャル 未解決事件 JFK暗殺
JFK
ヒトラー暗殺 13分の誤算

韓国映画 オススメ10選

遅ればせながら、2020年から韓国ドラマにはまりました。
「愛の不時着」からです。
Netflixを開くたびにCM動画が流れるので気になりつつもあえて見ないようにしていたのですが、試しに第1回だけでもと思って見始めたら止まりませんでした。
その後、「ミセン(未生)「椿の花咲くころ」などを見続け、さらに韓国歴史ドラマの「イサン」や「チュモン(朱蒙)」などエピソード80まである作品も見て、ステイホームの生活を過ごしました。多い日は一日5本ほど見続けてしまったほど、はまりました。
いずれも家族や友人たちの奨めてくれた作品です。
口コミの「面白かった」にはずれなし、でした。
韓国ドラマは、まだまだ見ていない作品がいっぱい溜まっていて、楽しみは尽きないという感じです。

口コミはありがたい、と思ったので、今度は私自身が情報を提供します。
韓国映画で、私が面白いと思ったもの10選です。
順位はつけがたかったのですが、便宜上、番号を付けました。1~5は韓国現代史、特に1980~90年代を知ることができる社会派作品です。6はアクションもの、7は現代女性の生きづらさをテーマにした作品、8はファンタジーです。
作品の下のURLは以前、私がこのブログで書いた過去記事です。こちらも参考にしていただけると嬉しいです。

1.1987 ある闘いの真実 (2017)
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1987年、ソウル大生の拷問死を引き金に、チョン・ドゥホァン軍事独裁政権の下で起こった、民主化を求める韓国の民衆の闘争を描いた作品。
著しい発展を遂げている韓国であるが、わずか30数年前までは、反政府勢力に対する酷い弾圧が行われていた。1987年という年は、韓国にとって民主化を勝ち取ることができた輝かしい年だったのだ。
後半からの中心人物ハン看守にユ・ヘジン
https://haginori55.jp/blog-entry-130.html

2.タクシー運転手 約束は海を越えて (2017)
タクシー運転手
1980年5月に起こった光州事件を描いた作品。
粛軍クーデタにより実権を掌握したチョン・ドゥホァン軍事政権に対して、光州市で民衆の抗議活動が起こった。これに対して軍事政権は武力をもって鎮圧をしようとし、学生や市民に多数の死者をだした光州事件が勃発した。
これを取材しようとするドイツ人記者を光州市まで乗せたタクシー運転手が見たものは...。そしてドイツ人記者を金浦空港まで送り届けようとするタクシー運転手と、それを妨害しようとする軍の攻撃、それを守り抜こうとする光州のタクシー運転手たちの協力。
繰り広げられる派手なカーチェイスも見どころ。
主人公のタクシー運転手にソン・ガンホ
光州のタクシー運転手にユ・ヘジン
https://haginori55.jp/blog-entry-111.html

3.弁護人  (2013)
弁護人 ソン・ガンホ

1981年のチョン・ドゥホァン軍事政権下で実際に起きた冤罪事件である釜林事件を扱った作品。釜山読書会の学生たちは逮捕令状もないまま不法に拘禁され、ひどい拷問を受け、自白を強要された。
この裁判で弁護人を引き受けたのが、ノ・ムヒョン(廬武鉉)大統領をモデルとするソン・ウンソク。
「法廷ものにハズレなし」の言葉通り、理不尽な検察側の起訴に対して、確かな証拠を持って反論していく弁護人の姿は気持ちいい。
ノ・ムヒョン大統領は若い時、きっとこのような正義感に満ちた人権派弁護士だったのだろうと想像でき、政治改革を成し遂げることができないまま、大統領退任後に自殺してしまったことが残念でならない。
弁護人ソン・ウンソクにソン・ガンホ
https://haginori55.jp/blog-entry-121.html

4.工作 黒金星(ブラック・ビーナス)と呼ばれた男 (2018)
工作

北朝鮮に潜入した韓国の工作員をめぐる、実話をもとにしたフィクション。
1992年の時点で北朝鮮の核開発はどれだけのレベルだったのだろうか?
それを探るため,工作員として北朝鮮に潜入したブラック・ビーナス。
優秀な将校であった過去を消し去り、工作員としての任務を遂行する。韓国の工作員であることがばれれば命はない。
過酷な任務だ。
立場の違いがあるものの、北朝鮮の高官リ所長との間に築いた信頼関係、友情が感動もの。
キム・ジョンイル委員長のそっくりさんを起用しての会見の場面も見どころ。
https://haginori55.jp/blog-entry-124.html

5.国家が破産する日  (2018)
国家が破産する日

1997年、タイの通貨バーツの急落をきっかけに始まったアジア通貨危機は、東アジア・東南アジアの各国を巻き込み、この結果、特にタイ・インドネシア・韓国は大きな打撃を受け、IMF管理に入った
この作品は、韓国を襲ったこの国家的危機に際して、立場・考え方の違う4人の人物を中心に、それぞれがどのような対応をとったのかを描いたもの。
ハン・チーム長・・何とかこの危機の被害を最小限に食い止めようとして、韓国銀行上層部や政府高官に対応を要請して奔走する韓国銀行の通貨対策チームのリーダー。
ユン・ジョンハク・・ウォンが大暴落するということをいち早く予知し、泥船からは先に逃げたものが生き残ると考えて勤めていた金融会社を早々に退職して、ドルを買いあさる。ウォン暴落により大もうけした彼は、新事業を立ち上げ、投資に乗り出す。国家的危機を自分にとってのチャンスと考えて、のし上がっていこうとする。つまり、自分が助かり、自分が儲かる方法を考えている人物。
食器工場経営者のガブス・・中小企業は資産がなく、危機を乗り切れるだけの体力がないから、不渡り手形一枚をつかまされただけで資金繰りが立ち行かなくなる。どの中小企業の経営者がそうであるように、このような経済危機に巻き込まれたとき、実に弱い立場にあるのだ。しかも情報不足。政府もこの危機を国民に伝えていないから、すすめられるままに手形取引による事業拡大を決断する。子供の教育費のことなど家族のことを考えての選択だったが。
パク財務事務次官・・どこの国にもいそうな政府の高官。政策決定をできる強い立場にある人が、弱い立場の国民のことを考えていない。中小企業がつぶれて大企業が生き残ればよい、と考えているのだ。しかも、この人は会議の時に、ハン・チーム長に対して「女性は感情的な判断をする」というような差別的発言をして、ハン・チーム長の意見を無視した。
(どうしてもハン・チーム長に感情移入して見てしまうので、このパク次官に対して怒りが沸く。)

経済のことがテーマなので難しいかと思ったが、それぞれの立場の人の考え方をわかりやすく描いていて、韓国を襲ったIMF危機について知ることができた。


6. 82年生まれ、キム・ジヨン (2019)
82年生まれ、キム・ジヨン

韓国で2016年に発表され、130万部のベストセラーとなった小説を映画化した作品。
2019年10月に韓国で公開され、日本では2020年10月に公開された。

場面、場面のいたるところで、登場人物のセリフや思いに、「わかる!」といいたくなった。
それは出産・育児による仕事の中断や子育て中の大変な思いなど、同様のことを私自身も経験してきたからであるのだが、今までの世の中では、ほとんどの女性が仕方ないと思って我慢してきてしまったことのように思う。
しかし、我慢することが果たして美徳か?ということが今、投げかけられている。
文句を言わずに子育てを乗り切ってしまった方が、よくできた女性として称賛される。
が、それでは、女性の我慢の上に成り立っている社会はいつまでたっても変わらない。
声をあげることは実は損をする。「そのくらいのことは我慢しろ。」、「わがままな女だ。」といわれてしまうだろう。
それをあえて取り上げること。あきらめずに声をあげて、理解を求めること、そしてそれが社会を変えていくことにつながるということ。
そんなことを考えさせられた作品だった。


7.コンフィデンシャル/共助 (2017)
コンフィデンシャル/共助

アクション映画。面白い!ヒョンビンがかっこいい! ユ・ヘジン、いい味を出している!
2時間5分の作品。夢中になって見入ってしまいました。

見終わって、冷静になってから考えたこと。
これは韓国の娯楽映画で、ストーリーは北朝鮮から偽札製造用の銅板をもって韓国に逃亡したギソンを追って、北朝鮮の警察と韓国の警察が史上初の共助捜査を行うというもの。
これって、北朝鮮が国家ぐるみで高性能の偽札製造を行っていたということ?
この作品を北朝鮮側の人が見たらどう思うのかしら、と思ってしまった。
途中、北朝鮮の刑事チョルリョン(ヒョンビン)と韓国のカン刑事(ユ・ヘジン)が喧嘩をしてはなったセリフがある。
カン刑事が北朝鮮国のことを「3代独裁で国もひどいザマだ。人を飢えさせている。」
これに対して、チョルリョンの「貧富の差が激しい南朝鮮よりマシです。北朝鮮は平等に貧しい。共和国を侮辱するな!」という応酬。
喧嘩のセリフが、双方の国の問題点の指摘。
ヒョンビンのアクションに惚れ惚れしながら、ストーリーの背景は、一つの民族が国家体制の違う南北別々の国に分断されてしまったことだなとしみじみ思った。

8.7番房の奇跡 (2013)
7番房の奇跡

6歳の娘イェスンを演じた子役のカル・ソウォンちゃんがとにかく愛らしくて可愛い。
刑務所の中の話なのにいい人ばかりが出てくる心温まるお話。笑えて泣けます。

9.国際市場で会いましょう  (2014)

朝鮮戦争の混乱で避難の途中、妹マクスンと離ればなれになり、彼女を探しに行った父親も行方不明になってしまったドクスの家族。避難先のプサンに落ち着いてからは、父親に代わって長男のドクスが家長として家族をさせる。ドクスは弟の学費を捻出するために、西ドイツの炭鉱に出稼ぎに行き、末っ子の妹の結婚式の費用のためにベトナム戦争に志願する。涙と笑いに満ちたドクスの人生。
朝鮮戦争の興南の退却の場面は迫力があった。
https://haginori55.jp/blog-entry-75.html

10.パラサイト  (2019)
監督:ポン・ジュノ
主演:ソン・ガンホ。
韓国の貧富の差の大きさを感じた。

夫婦で安心して楽しめる作品 :      スポーツもの編

「夫婦で見て楽しめる映画、ぜひ教えてほしいです。」というコメントをいただいた。
嬉しい。
こういう反応をいただくと、俄然、それに答えたいと頑張ってしまいます。

Netflix、Amazonプライム、U-nextが普及した今、視聴可能な作品数も豊富になり、見ようと思った作品を検索すればだいたいの作品がヒットする。必要なのは何を見たらよいのかを選択するための情報だと思う。
そして、こういう時、頼りになるのが映画好きの友人のネットワーク。
「夫婦で安心して楽しめる作品」で、おすすめのものはあるか?と聞いたら、さっそく「スポーツものがいい。」という返答をもらった。

「なるほど。」

「夫婦で」と限定することもないのだが、あえてそれを入れたのは、一人で勝手に見る分には、その作品が重くても、暗くても、面白くなくても、自分のなかで消化できるのだが、だれかと一緒に映画を見るという条件をつけると、「楽しく安心して」という要素が加わると思ったからだ。面白くなかったりすると、選んだ相手に文句が言いたくなり、下手をすると喧嘩になるからね。

友人たちが挙げてくれたのは、「ラッシュ」や「クール・ランニング」など。
さらに、ネットで、「スポーツもの 映画」というキーワードで検索したら、『映画ランキング専門サイト』の「スポーツ系の実話をもとにした映画ランキング」という記事がヒットした。非常に参考になった。
いくつかは見ていたけれど、「スポーツもの」をあまり見ていなかったことに気づいた。
そして、この数日間、「スポーツもの」を見まくった。
以下、私の中でのランキングです。

1.『ラッシュ/プライドと友情』(2013年)
ラッシュ/プライドと友情

この作品を1位に挙げるとは、私自身も全く意外なのですが、良かったのです。
実は私は、ペーパードライバーで運転はまるでだめ、車にまるで興味がなく,車種の識別も全くできなくて、F1にも興味はないという人間です。勧められたので、なんとなく漫然と見ていたのですが、後半からラストにかけて、グッと来てしまいました。
ライバル関係にあったジェームズ・ハントニキ・ラウダ。ライバルがいたからこそ、お互いを高めあえた。そして、スタイルも価値観も全く異なる2人が、それぞれに大切にしているものがあり、生き方を選択していくところが素晴らしい。
なにより、F1好きの方は、レースの迫力に浸ることで満足できる作品だと思います。

2.『ルディ/涙のウイニングラン』(1993年)
ルディ

才能・体格・大学に進学する学力・経済力、これらのことに全く恵まれなかった主人公が、努力と熱意だけで夢を実現する。
そんなの無理だといいたくなるけれど、これも実話。
そしてやっぱりラストは感動的。


3.『タイタンズを忘れない』(2000年)
タイタンズを忘れない

1971年のバージニア州アレクサンドリア。公民権法成立(1964)後とは言え、まだまだ黒人への差別感情が根強い時代、州立高校で白人・黒人混合の高校フットボールチームができる。コーチのハーマン・ブーン(デンセル・ワシントン)のもと、最初は対立していた白人・黒人の選手たちが次第に協調していく。
そんなにうまく行くか、といいたくなるけれど、これも実話。スポーツの力は大きいのだ。まずは会話をしてお互いを知ることから始めようとしたブーンの指導力はさすがだし、リーダー格のゲーリーをはじめ、みんないいやつだな。


4.『ダンガル きっと、つよくなる 』(2016年のインド映画)
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インド映画は楽しい。
自分の娘をレスリング選手として世界大会で勝たせるまでに鍛え上げるお父さんマハヴィルにアーミル・カーン。(「きっと、うまくいく」の主役)。
レスリングは日本のお家芸であり、オリンピックでの吉田沙保里選手の試合などを何度も見てきているので、なじみのあるスポーツだが、この作品を見ていると得点や技について理解が深まる。この父と娘たちの関係を見ていたらアニマル浜口と浜口京子の父娘のことを思った。はたから見ているとあんな父親ではたまったものではないと思いがちだが、他人にはわからない深い愛情に支えられた絆があるのだろう。この父娘も素敵だった。

5.『クール・ランニング』(1993年)
クール・ランニング

南国ジャマイカが冬季オリンピックのボブスレーに出場。この設定を考えただけでも楽しくなる。1988年のカナダ・カルガリー大会に実際に出場したジャマイカ・チームの話をもとに作られた作品で、登場人物はすべて架空だそうだが、とにかく楽しい。
フィクションとはいえ、4人の選手の出場の動機にも、ラストにも納得。

6.『インビクタス/負けざる者たち』(2009年)
インビクタス

大統領になってからのネルソン・マンデラを描いたもので、前半は白人と黒人の和解を進めようとするネルソン・マンデラの取り組み。後半はまさにスポーツもの。
1995年に南アフリカで開催されたラグビー・ワールドカップ。イケイケどんどんで、南アフリカチームが勝ち進む。楽しい。
マンデラにモーガン・フリーマン。ラグビーチームのスプリングボクスの主将ピナールにマット・デイモン

7.『幸せの隠れ場所』(2009年)
幸せの隠れ場所

貧困地区で育ち、ホームレス状態だったマイケル・オアーと、彼を支え育てたリー・アン(サンドラ・ブロック)とその家族の交流。フットボールのゲームの進め方も知らなかったマイケルが、リー・アンの援助のもと一流のフットボール選手に成長していく。そして、マイケルとリー・アンの家族は大の仲良し。そんなにうまくいくかといいたくなるが、これも実話。

『コリーニ事件』

2019年のドイツ映画。
コリーニ事件



冒頭から、引き込まれる。

2001年のベルリン。ホテルの最上階のスイートルームで、経済界の大物MMF社長ハンス・マイヤーが殺害された。容疑者は、ファブリツィオ・コリーニ、67歳。ドイツで30年以上暮らしているイタリア人。
この裁判でコリーニの国選弁護人となったカスパーにとって、被害者マイヤーは少年時代の恩人で、トルコ系のカスパーを孫の友人として優しく支援してくれた人物だった。
被害者マイヤーが自分の恩人のマイヤーではあると知らずに、コリーニの弁護を引き受けてしまったカスパー。しかも、コリーニは黙秘を続け、何も語らない。

動機は何なのか?
コリーニとマイヤーの過去にどんな関係があったのか?

フランコ・ネロ
    コリーニを演じたフランコ・ネロ
***************

「法廷モノに外れなし」の言葉どおりでした。
見終わった後、いろいろ調べ、考えました。
考えなければいけないテーマを投げかけられたと思いました。

以下は、それについてです。
「続きを読む」のクリックをお願い致します。
(パソコンだとこの機能が使えるのですが、スマホだと、この機能は使えず、続けて全部表示されてしまうのがわかりました。すみません。作品を余計な情報なしでご覧になりたい方は、ここで読むのをストップしてください。)

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プロフィール

萩谷功枝

Author:萩谷功枝
世界史教師をしています。

映画や本の紹介、最新のニュースから感じたこと、など自分の日常を通して、世界史のことを考えていけたらと思います。

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