夫婦で安心して楽しめる作品 :      スポーツもの編

「夫婦で見て楽しめる映画、ぜひ教えてほしいです。」というコメントをいただいた。
嬉しい。
こういう反応をいただくと、俄然、それに答えたいと頑張ってしまいます。

Netflix、Amazonプライム、U-nextが普及した今、視聴可能な作品数も豊富になり、見ようと思った作品を検索すればだいたいの作品がヒットする。必要なのは何を見たらよいのかを選択するための情報だと思う。
そして、こういう時、頼りになるのが映画好きの友人のネットワーク。
「夫婦で安心して楽しめる作品」で、おすすめのものはあるか?と聞いたら、さっそく「スポーツものがいい。」という返答をもらった。

「なるほど。」

「夫婦で」と限定することもないのだが、あえてそれを入れたのは、一人で勝手に見る分には、その作品が重くても、暗くても、面白くなくても、自分のなかで消化できるのだが、だれかと一緒に映画を見るという条件をつけると、「楽しく安心して」という要素が加わると思ったからだ。面白くなかったりすると、選んだ相手に文句が言いたくなり、下手をすると喧嘩になるからね。

友人たちが挙げてくれたのは、「ラッシュ」や「クール・ランニング」など。
さらに、ネットで、「スポーツもの 映画」というキーワードで検索したら、『映画ランキング専門サイト』の「スポーツ系の実話をもとにした映画ランキング」という記事がヒットした。非常に参考になった。
いくつかは見ていたけれど、「スポーツもの」をあまり見ていなかったことに気づいた。
そして、この数日間、「スポーツもの」を見まくった。
以下、私の中でのランキングです。

1.『ラッシュ/プライドと友情』(2013年)
ラッシュ/プライドと友情

この作品を1位に挙げるとは、私自身も全く意外なのですが、良かったのです。
実は私は、ペーパードライバーで運転はまるでだめ、車にまるで興味がなく,車種の識別も全くできなくて、F1にも興味はないという人間です。勧められたので、なんとなく漫然と見ていたのですが、後半からラストにかけて、グッと来てしまいました。
ライバル関係にあったジェームズ・ハントニキ・ラウダ。ライバルがいたからこそ、お互いを高めあえた。そして、スタイルも価値観も全く異なる2人が、それぞれに大切にしているものがあり、生き方を選択していくところが素晴らしい。
なにより、F1好きの方は、レースの迫力に浸ることで満足できる作品だと思います。

2.『ルディ/涙のウイニングラン』(1993年)
ルディ

才能・体格・大学に進学する学力・経済力、これらのことに全く恵まれなかった主人公が、努力と熱意だけで夢を実現する。
そんなの無理だといいたくなるけれど、これも実話。
そしてやっぱりラストは感動的。


3.『タイタンズを忘れない』(2000年)
タイタンズを忘れない

1971年のバージニア州アレクサンドリア。公民権法成立(1964)後とは言え、まだまだ黒人への差別感情が根強い時代、州立高校で白人・黒人混合の高校フットボールチームができる。コーチのハーマン・ブーン(デンセル・ワシントン)のもと、最初は対立していた白人・黒人の選手たちが次第に協調していく。
そんなにうまく行くか、といいたくなるけれど、これも実話。スポーツの力は大きいのだ。まずは会話をしてお互いを知ることから始めようとしたブーンの指導力はさすがだし、リーダー格のゲーリーをはじめ、みんないいやつだな。


4.『ダンカル きっと、つよくなる 』(2016年のインド映画)
danngaru.jpg

インド映画は楽しい。
自分の娘をレスリング選手として世界大会で勝たせるまでに鍛え上げるお父さんマハヴィルにアーミル・カーン。(「きっと、うまくいく」の主役)。
レスリングは日本のお家芸であり、オリンピックでの吉田沙保里選手の試合などを何度も見てきているので、なじみのあるスポーツだが、この作品を見ていると得点や技について理解が深まる。この父と娘たちの関係を見ていたらアニマル浜口と浜田京子の父娘のことを思った。はたから見ているとあんな父親ではたまったものではないと思いがちだが、他人にはわからない深い愛情に支えられた絆があるのだろう。この父娘も素敵だった。

5.『クール・ランニング』(1993年)
クール・ランニング

南国ジャマイカが冬季オリンピックのボブスレーに出場。この設定を考えただけでも楽しくなる。1988年のカナダ・カルガリー大会に実際に出場したジャマイカ・チームの話をもとに作られた作品で、登場人物はすべて架空だそうだが、とにかく楽しい。
フィクションとはいえ、4人の選手の出場の動機にも、ラストにも納得。

6.『インビクタス/負けざる者たち』(2009年)
インビクタス

大統領になってからのネルソン・マンデラを描いたもので、前半は白人と黒人の和解を進めようとするネルソン・マンデラの取り組み。後半はまさにスポーツもの。
1995年に南アフリカで開催されたラグビー・ワールドカップ。イケイケどんどんで、南アフリカチームが勝ち進む。楽しい。
マンデラにモーガン・フリーマン。ラグビーチームのスプリングボクスの主将ピナールにマット・デイモン

7.『幸せの隠れ場所』(2009年)
幸せの隠れ場所

貧困地区で育ち、ホームレス状態だったマイケル・オアーと、彼を支え育てたリー・アン(サンドラ・ブロック)とその家族の交流。フットボールのゲームの進め方も知らなかったマイケルが、リー・アンの援助のもと一流のフットボール選手に成長していく。そして、マイケルとリー・アンの家族は大の仲良し。そんなにうまくいくかといいたくなるが、これも実話。
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[脱出モノ」ベストの続き

先日のブログで『私の中での「脱出モノ」ベスト』を書いたら、いくつか反応をいただいた。
脱獄系では、S.マックウィーンの『パピヨン』(73年)もいいぞ、ニコラス・ケイジ、ショーン・コネリーの『ザ・ロック』(96年)はどうだ、邦題はひどいけれどポール・ニューマンの『暴力脱獄』(67年)というのも面白いぞ、脱出系ではやはり『ダイ・ハード』(88年)だろう、というご意見をいただいた。
「海外TVドラマの『プリズン・ブレーク』のシリーズがAmazonプライムで見られるよ。」など、情報をいろいろ寄せていただけるのは、ブログを書いているものにとって、とても嬉しいことです。

あくまでも個人の好みで「作品ベスト」を選んでいるので、偏りがあることはお許しいただきたいのだが、こうしたリストを作ると、「なぜこの作品が入らないのだ。」というご意見もいただき、自分の守備範囲を広くするための参考になります。

以前、『私の中でのトム・ハンクス作品ベスト』を書きました。
https://haginori55.jp/blog-entry-110.html
私としては戦争映画の最高傑作であると思う『プライベート・ライアン』がベスト1であり、そのあとトム・ハンクスが主演男優賞を勝ち取った『フォレスト・ガンプ』、『フィラデルフィア』となり、その後も社会派の作品がつづくのですが、やはり、ブログを読んでくださった方は、自分の好みの作品が入っていないと、一言いいたくなるらしいです。
それもまた、私にとっては嬉しいことなのです。
トム・ハンクスについては、初期の『ビッグ』などのコメディ作品のころからのファンの方もいらっしゃるし、『めぐり逢えたら』(Sleep in Seattle)、『ユー・ガット・メール』のようなラブ・ストーリーが好きだ、『ダ・ヴィンチ・コード』『天使と悪魔』『インフェルノ』のラングドン教授シリーズのような娯楽作品が好みだ、という方のご意見もいただきました。2020年の『この茫漠たる荒野で』もよかったぞ、というのも教えていただいてはいるのですが、すみません、いろいろ溜まっていて、まだ、見ていません。

楽しいので、これからも勝手なランキングを作ってみようと思っています。
考えているテーマはいくつかあるので、そのうちまとめます。
そして、最近、気が付いたことがあります。
我が家は、夫婦一緒に映画館で見ることは少なく(それぞれの都合と好みがあるので勝手に行きます。昨日も「ノマドランド」を一人で見てきました。)、また、配信されたものを家のTV画面で見るときも別々のことが多い(夫は夜型、私は朝型)のですが、『ダイ・ハード』シリーズや、トム・ハンクスのラングドン教授シリーズは夫婦で一緒に見ているのです。そして、「面白かった」という感想を共有しあえています。
というわけで、「夫婦で安心して楽しめる作品ベスト」というランキングもいいかな、などと考えているところです。

私の中での「脱出モノ」ベスト

映画好きの夫の友人Kさんから「マイ・ベスト・ワースト」という映画のリストを送ってもらい、さらにKさんの先輩Sさんの「映画日誌」なる小冊子を送ってもらった。
KさんもSさんも年間に見る作品の本数が半端ない。とても追いつかないと思いながらも、見たいと思う作品が満載のリストをながめて楽しんでいる。
そのSさんの「映画日誌」に「脱出モノにはずれなし」「法廷モノにはずれなし」という言葉があり、まさに「同感!」と思った。
それならば、自分なりの「脱出モノ」「法廷モノ」のランキングを作ってみようと思いついた。

まずは、「脱出モノ」から。
自分のブログの過去記事をたどってみると、「脱出モノは私の好きなジャンル」と書いているものがいくつかあった。
今回はそのまとめ整理です。
ブログの過去記事については,それぞれの作品の下にURLを付しておきましたので、そちらも参考にしていただけたら嬉しいです。
1と4は「私の好きな映画10選」という過去記事で書きました。
https://haginori55.jp/blog-entry-63.html


1.ショーシャンクの空に
1994年のアメリカ映画
ショーシャンクの空に

これぞ、脱獄モノの最高傑作!
やはり、脱獄の方法はこれしかないかも。

 ストーリーの展開は激動で、途中、「えっ!」「えっ!」の連続なのに、淡々とした描き方で映画は進行していき、そして、見終わった後、なんだかわからない感動がジワッときた。見た翌日もそのまた翌日もいろいろな場面を思い出しては、「よかったな。」などとつぶやいて、作品の余韻に浸った。
無実の罪で投獄された主人公アンディ(ティム・ロビンス)が脱獄をはかるものなのだが、モンテクリスト伯のようなドロドロとした復讐劇ではない。主人公はあまりにも理不尽な運命にさらされるのだが、感情的になって悲嘆したり、絶望したりはせず、淡々とした態度をとりつつ、しかし諦めずに打開の方法を見出していった。
彼の粘り強さ、不屈の魂に圧倒される。人間とは強いものなのだ、そして人間の心は自由であるべきなのだ、と思った。
私は自分の状況があまり良くないとき、この作品のことを思い出してみる。そして、アンディの忍耐強さのことを頭に浮かべる。すると、なんだか励まされる。


2.大脱走
1963年のアメリカ映画。(今から60年近く前の作品。)
1960~70年代のトップスター、スティーブ・マックイーンの代表作でもある。
大脱走


第二次世界大戦中、ドイツ北部の捕虜収容所から連合軍の捕虜200~300名がトンネルを掘って脱出し、ドイツ中に拡散するという大脱走を企てる。
目的は脱走捕虜の収容のためにドイツ軍に労力をかけさせること。
前線で戦えない捕虜にとって、脱走によって敵の後方を攪乱するのは任務でもある。
収容所を脱出したメンバーは、自転車やバイクを盗んで逃走したり、川に出てボートに乗ったりとそれぞれの逃走劇をくり広げる。
明るい曲調の「大脱走のマーチ」にものせられて、捕虜たちの逃走を応援してしまう。
https://haginori55.jp/blog-entry-24.html

3.アルゴ
2012年のアメリカ映画。
ベン・アフレック監督・主演
1979年のイランでおこったアメリカ大使館人質事件を舞台とした作品。
ベン・アフレック


親米路線をとっていたパフレヴィー王がイラン革命により倒されアメリカに亡命した。イランの民衆の国王への反発は、アメリカへの憎悪の感情にまで発展し、人々は群衆となってアメリカ大使館前に押し寄せる。憎悪の感情を抱えた大勢の人によるエネルギーは恐ろしいほどだ。
この事件ではアメリカ外交官や海兵隊員とその家族計52人が人質となり、拘束された。解放されたのは事件発生から444日後のことであった。
事件発生の直前、間一髪でアメリカ大使館から抜け出したアメリカ外交官6名がいた。彼らはカナダ大使公邸に逃げ込み、かくまわれる。
この6名のイランからの脱出を描いたのがこの作品。
「脱出モノにはずれなし」の言葉通り、飛行機が離陸するまでハラハラ・ドキドキの連続だった。
途中、子供を使ってシュレッダーにかけられた6人の顔写真を復元してしまうシーンがある。ジグソーパズル1000ピースも完成する自信のない私としては、ここまでやるかと恐怖すら感じた。
https://haginori55.jp/blog-entry-23.html

4.キリング・フィールド
1984年のアメリカ・イギリス合作映画。
キリング・フィールド

カンボジアは1976~79年の4年間、ポル・ポト政権下で信じられないような滅茶苦茶な政策が行われた。知識人は弾圧され、農村で強制労働をさせられた。
この作品は、アメリカ人新聞記者シャンバーグとカンボジア人通訳のディス・プランの友情の物語。アメリカ軍の撤退とともにシャンバーグがディス・プランをつれてアメリカに戻ろうとするときのハラハラが前半のヤマ。偽造パスポートで何とかディス・プランを出国させたかったけれど、証明写真がうまく製造できない...。
後半は、カンボジアに残ったディス・プランが、ポル・ポト政権下の農村で、理不尽としか言いようのない環境のもとで生き抜いていく様子。ポル・ポト政権下では教師やジャーナリスト・通訳などのいわゆる知識人は弾圧の対象。ディス・プランは前職が何であったかを問われる誘導尋問もすり抜けて、農作業をしながら脱出のチャンスを狙う。そしてそこからの脱出劇。
ラスト。タイ国境にまで逃げ延びたプランが、新聞記者のシャンバーグとの再会を果たした時に流れるジョン・レノンの「イマジン」で、ボロボロに泣けてしまう。

5.遠い夜明け
1987年のイギリス映画
監督:リチャード・アッテンボロー
アパルトヘイトが行われていた1970年代の南アフリカを舞台とした作品。
遠い夜明け

前半は黒人解放活動家ビコ(デンセル・ワシントンン)と白人記者ドナルド・ウッズの交友。
ビコは知的で魅力的な人物。演説のうまさ、説得力、さわやかな笑顔。リーダーたりうる素養をもっている。白人社会を壊そうとは言っていない。白人と黒人が平等な南アフリカを作りたいのだと。そして、警察が行う暴力をやめさせたいのだ。
しかし、ビコは拘禁され、獄中での暴力が原因で死去。
ウッズは、ビコの死を調査し、それを公表しようとするが、政府、警察はそれを阻止する。南アフリカの現状を世界に訴えようとするウッズは亡命を決意。彼の行動を監視する警察。ここからは、ウッズと家族の脱出劇。
ウッズはまず南アフリカに囲まれた内陸国レソトに逃げ込み、家族と待ち合わせ、そこから飛行機でボツワナへ行く計画をたてる。
しかし、レソトからボツワナへは、南アフリカ上空を通過しなければ到達できない。
上空を飛んだら強制着陸させる、と脅す南ア政府。
「脱出モノにはずれなし」の言葉通り、ハラハラ・ドキドキの連続。

ラスト。飛行機のなかのウッズは、万感の思いで南アフリカの国土を上空から眺める。
ここで流れる「神よ、アフリカに祝福を」という曲が美しくてボロボロに泣いてしまう。
(この曲と「南アフリカの呼び声」という2曲と合わせて編曲したものを、1997年にネルソン・マンデラが南アフリカの国歌として制定した。)

エンディングでは、美しい南アの風景の映像の下に、拘置中に死亡した者の名前と死因が字幕で延々と流れる。
その数の多さ。明らかに嘘であろうと思われる死因。
(首つり自殺、転落死、転倒死...。そんなはずはない。獄中での暴力によるものでしょう。)
https://haginori55.jp/blog-entry-18.html

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以上、私の中での「脱出モノ」ベスト5をあげてみました。
「ショーシャンク・・」以外は、すべて歴史的な背景があります。戦争、革命、信じられないような悪政、差別と弾圧。それを描いた作品であり、脱出劇を盛り込むことで、見ているものを飽きさせない展開になっています。
少々&かなり古い作品ばかりになってしまいましたが、どれも素晴らしい作品だと思います。

私の中でのトム・ハンクス作品ベスト

トム・ハンクスが出演した作品について、私の勝手なランキングを作ってみました。
順位をつけるのはどうかと思いつつ、今まで見てよかったと思うものを整理するという目的でのランキングです。
選んだ観点は、俳優トム・ハンクスの味がにじみ出ているということ。
以前このブログで書いたことがあるものはURLを付けましたので、そちらもお読みいただけたらうれしいです。



1.プライベート・ライアン (1998)
監督:スティーヴン・スピルバーグ
第二次世界大戦のノルマンジー上陸を舞台にした戦争映画の最高傑作。
戦闘シーンがすさまじい。
ライアン二等兵を救出せよという命令を受けたミラー大尉。任務に疑問を持ち始めた部下たちをまとめて戦場をくぐりぬける。
そしてライアンがいたのは、人手不足も甚だしい前線の橋だった。
そこでとったライアンとミラー大尉の選択は・・。
瀕死のミラー大尉が若いライアンに言った「無駄にするな。しっかり生きろ。」という言葉が心に残る。
http://haginori55.jp/blog-entry-5.html

2. フォレスト・ガンプ/一期一会 (1994)
監督:ロバート・ゼメキス
前年の『フィラデルフィア』に続き、トム・ハンクスがアカデミー主演男優賞を獲得した作品。
私はこの作品で初めてトム・ハンクスを見たのだが、知的障害のあるフォレスト・ガンプを演じる彼の表情、動作、走り方があまにもそれらしくて、本当に障害のある人を役につけたのかと思ってしまった。

3. フィラデルフィア (1993)
監督:ジョナサン・デミ
エイズを発症してしまったことで法律事務所を解雇されてしまった弁護士のアンディが、これを不当解雇であるとして法律事務所を相手取って訴訟を起こす。
ゲイであること、エイズ患者であることによる差別と闘うアンディ。
コメディ俳優だったトム・ハンクスが初めて取り組んだシリアス・ドラマ。
病気で体が弱っていくアンディを演じて、アカデミー主演男優賞を獲得。
http://haginori55.jp/blog-entry-50.html

4. キャプテン・フィリップス (2013)
監督:ポール・グリーングラス
ソマリア人海賊に乗っ取られた貨物船マークス・アラバマ号の船長。
貧しいがゆえに海賊行為をするソマリア人海賊に対しても、優しいまなざしを注ぐ。
http://haginori55.jp/blog-entry-22.html


5. ハドソン川の奇跡 (2016)
監督:クリント・イーストウッド
ハドソン川に不時着水したUSエアウェイズ1549便のサレンバーガー機長。
冷静な判断、完璧な操縦技術、乗客が一人残らず脱出できたことを確認して最後に飛行機から脱出する責任感。
乗客乗員に一人の犠牲者も出さなかった“奇跡”と呼ばれる飛行機事故でした。
http://haginori55.jp/blog-entry-108.html

6. ブリッジ・オブ・スパイ (2015)
監督:スティーヴン・スピルバーグ
舞台は1960年代の東西冷戦のさなか。U2機撃墜事件、ベルリンの壁構築が起こった時代。スパイ交換の交渉人としてベルリンに向かうドノヴァン弁護士。
スパイ飛行をしていたU2機のパイロットに対しても世間が「なんでおめおめ生き残ったのだ。」という冷たい視線を浴びせる中で、ドノヴァンは「気にするな。」と優しくささやく。(つまり、パイロットが撃墜により死亡していれば、スパイ飛行ではなく、誤ってソ連の領空内に入ってしまったとごまかせるので。)
ベルリンの壁構築の際、ぎりぎりのタイミングで西ベルリンに戻りそこなって東ベルリンに取り残されてしまったアメリカ人留学生に対しても、外交交渉の中で捨て駒にされそうなところを、ドノヴァンは何の罪もないこの学生の救出にこだわる。
ソ連のスパイ一人に対して、パイロットと学生の2人という1対2の交換の交渉。
相手は難癖をつけてくるが、強い胆力をもって、頑として譲らず交渉にあたるドノヴァンがいい。
http://haginori55.jp/blog-entry-47.html

7. グリーン・マイル (1999)
監督:フランク・ダランボン
死刑囚を収容している刑務所の看守。
http://haginori55.jp/blog-entry-109.html

8. アポロ13  (1995)
監督:ロン・ハワード
1970年、第3番目の有人月面飛行をめざしたアポロ13号は、酸素タンクの爆発などのトラブルが発生し、帰還困難状況になる。電力不足にも追い込まれ、電力の節約のため、ヒーターを切ったため船内は1~4℃の寒さになる。乗組員は凍えるような寒さを耐える。さらに二酸化炭素濃度の上昇。大気圏再突入への軌道のずれ。大変なことが次々に起きる。しかし、様々な困難を乗り越え、アポロ13号は無事、地球に帰還する。
どんなときにも冷静に、そして諦めずに最善を尽くしたラヴェル船長。必死に指令を送る地球の管制官や技術者たち。感動ものである。(実話だし。)

アポロ計画は1969年のアポロ11号が人類初の月面着陸を果たし、その後、17号までが打ち上げられ、13号以外の12号、14~17号はすべて月面着陸に成功して、失敗したのは13号だけ。しかし、困難な状況を乗り越えて、無事、地球への帰還を果たしたことから、「失敗の成功」といわれている。

9. キャスト・アウェイ (2000)
監督:ロバート・ゼメキス
トム・ハンクスが増量後22.7kg減量して臨んだ作品。(体に悪い。)
無人島でのサバイバル生活。
子供の頃に読んだロビンソン・クルーソーは、船に積んであった物資を利用して生活を作り上げていくところに夢があってわくわくしたが、こちらはかなり過酷。
本当に何にもない無人島で生きていくのは、なんと困難なことだろう。
そして、無事に帰還できた後のチャック。
自分が死んだものとされた4年間はもう元には戻らない。
イタリア映画の「ひまわり」を思い出した。

10. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン (2002)
監督:スティーヴン・スピルバーグ
 「見終わった後さわやかな気分になれる」作品。
主演はディカプリオ。
トム・ハンクス演じるFBI捜査官が、何度も詐欺師アバグネイル(ディカプリオ)を追い詰めるのだがそのたびにまんまと騙されて逃げられる。
アバグネイルの言うことを信用してしまったり、気の毒な彼の家庭環境に同情してしまうあたり、FBI捜査官としては詰めが甘いともいえるのだが、そこがなんとも憎めない。
追われる犯罪者、追う警察という長年の関係のはてに行き着いた二人の関係が素敵。

この作品は、実在の人物である天才詐欺師フランク・アバグネイル・Jr.の原作をもとにつくられた。アバグネイルがパイロットや医者という高度な知識・技術を必要とする専門識の人に成りすます。(もちろん、飛行機を操縦するわけでも、医療行為をするわけでもあり
ません。) 人はパイロットの制服や医師の着る白衣に案外弱く、服装だけで信用してしまうのかもしれない。
が、それだけでは詐欺は不可能。それが可能だったのは、アバグネイルの知識の豊富さ、頭の良さがあってこそ。
そして、このアバグネイルの才能を犯罪者のままにはせず、生かそうとするFBI捜査官カール・ハンラティが素晴らしいと思う。アバグネイルに騙されてしまう彼は、間が抜けていると言いたくなるほどだが、最後まで徹底していい人。
ここでもトム・ハンクスの人間的な味がにじみ出ている。

11. ターミナル (2004)
監督:スティーヴン・スピルバーグ
  例えば、1991年のソ連崩壊の時、崩壊前のソ連のパスポートとビザで他国に入国しようとしたときに、ソ連という国がなくなってしまったとしたら、そのパスポートとビザで入国することはできなくなるのかな。クーデタで自国が不安定な状態だと、自国に戻ることもできなくなってしまうのかな。出入国管理法について全く知識はないけれど。
作品はかつてコメディ俳優であったトム・ハンクスの真骨頂。
空港の椅子を並べて寝るシーンで足が詰まって困ってしまうシーンなど、思わず笑ってしまうところがいっぱいあって楽しかった。
長い期間、空港で暮らすことで、そこで働いている人たちをみんな友達にしてしまうビクターのキャラがいい。

12.ビッグ  (1988)
コメディ俳優だったトム・ハンクスの最高傑作。
12歳の少年が突然大人になってしまう。親友のビリー以外はそのことを知らない。
うまいことおもちゃ会社に就職できて、子供の気持ちがわかる社員として、社長に気に入られたり、子供であることがばれないようにつじつま合わせに四苦八苦したり。
くすっと笑いながら楽しい気持ちで見ることができました。

13.ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 (2017)
  監督:スティーヴン・スピルバーグ
アメリカの世論をベトナム戦争反対に転換させた最高機密文書の漏洩。
記事を掲載するかどうするかを葛藤するワシントンポストの社主をメリル・ストリープ。
この作品におけるトム・ハンクスは、ジャーナリストとして迷いがなくて、信念をもって突っ走る。
私はどちらかというと、苦悩するトム・ハンクスの演技が好きなので、彼に焦点を絞ると、順位としてはこんなところかな。
http://haginori55.jp/blog-entry-107.html

トム・ハンクス出演作品の監督をチェックしたら、以上13作品のうち5作品がスピルバーグで圧倒的に多く、このコンビは最強だなと思いました。さらに『ミリオンダラー・ベイビー』のクリント・イーストウッド、『ショーシャンクの空に』のフランク・ダランボン、『ビューティフル・マインド』のロン・ハワード、『羊たちの沈黙』のジョナサン・デミ、『ボーン』シリーズのポール・グリーングラスなど。
名監督と名優のコンビです。
トム・ハンクスは『プリティ・リーグ』で体重を増量、『フィラデルフィア』で減量、『キャスト・アウェイ』で増量の後,減量と、役作りのために過激な体重コントロールをしています。何も、そこまでしなくても、と思ってしまうのですが、役に入り込んだ演技をするトム・ハンクスにとっては当然のことなのでしょう。

『グリーン・マイル』

オーストラリアで新型コロナに感染してしまったトム・ハンクスが無事回復して帰国し、コロナ治療薬開発のために「血漿」を提供したというニュースをきき、「アメリカの良心」ともいうべきこの人の作品についてブログに書きたくて,もう一度見てみた。

ストーリーの大筋は覚えているつもりだったのだが、細かい部分はだいぶ忘れていた。
初めて見たときには、コーフィのもつ不思議な力に注目がいった。
そして、実は彼は、双子の姉妹の強姦殺人犯ではなく、少女たちを助けたくて血まみれの彼女たちを抱いていたために犯人にされてしまい、えん罪だったのだ、ということ、そのコーフィがどうなるのかに興味が集中した。

時を置いて再び見てみると、違う見方をするものだ。
今回は、「刑務所の日常」に関心が行った。

グリーン・マイル

『グリーン・マイル』

1999年のアメリカ映画
原作:スティーブン・キング
    (『スタンド・バイ・ミー』、『ショーシャンクの空に』の原作者)
監督:フランク・ダランボン (『ショーシャンクの空に』の監督)
出演:トム・ハンクス

グリーン・マイルとは、獄舎から電気椅子へとつながる色あせた緑色の床の通路のこと。
全編3時間9分という長編作品。
エピローグとエンディングの老人施設を除いては、ほぼ全編、死刑囚が収容されている刑務所の中が舞台。

刑務所という特別な環境での職務。
看守という仕事も大変だ。
監房という閉ざされた空間。
相手は犯罪者で、しかもポール(トム・ハンクス)の担当しているのはE棟という、死刑囚を収監している獄舎。
彼ら看守は電気椅子による死刑執行も行わなければならない。
しんどい仕事だと思う。
(現在は薬物注射による死刑執行が主流であるが、この作品の舞台である1932年当時は電気椅子による死刑が行われていた。)

刑務所の看守主任ポールは同僚のブルータルらとともに、死刑囚に対して、残された日々を穏やかに過ごせるようにと、心を配りながら職務を果たしていた。
しかし若い看守のパーシーがそれをかき乱す。
このパーシーが、とんでもなくバカで幼稚で、救いようがない、ダメな人間の典型として描かれている。
思い通りにいかないと、知事の妻の甥であることを利用して、「クビにしてやる」というセリフをはく。
なんの実力もないのに、自分の親戚の権威を笠に着るサイテーな奴なのだ。
自分が悪くても、反省どころか、恥をかかされたことを恨みに思う。

もうひとり。
凶悪な死刑囚ウィリアム・ウォートン(通称ビル
自分が犯した罪について悔いることなどないのだろう。
いつまでも凶暴で、チャンスがあれば看守に対しても危害を加えようとする。

彼らがどうなるのか?
例えば、パーシーが経験を通して成長していくというストーリーも可能だったはずだし、ビルが自分の犯した犯罪をすべて告白して懺悔するという場面を作ることも可能だったはずだ。
が、そんな臭い展開にはならない。
どうしようもない奴はどうにもならないのだ。

瀕死の生き物を蘇らせたり、病を癒す不思議な力を持っているコーフィは、パーシーやビルの「悪さ」が耐えられなくなる。
彼の優しい心は、「いい人」を助けたいという気持ちにあふれているのだ。

しかし...。
「毎日のように、世界中の苦しみを感じたり聞いたりすることに疲れたよ。」
えん罪であることを知って、何とかコーフィを助けたい、しかしどうすることもできないで苦しむポールに対して、コーフィが言った言葉だ。

*****
「いい人」と「悪い人」がステレオタイプで登場しているし、コーフィが不思議な力を持っているということで、ファンタジーのカテゴリーに属する作品なのだが、刑務所の日常や1932年当時の死刑執行の様子はきっとこんな感じだったのだろうということがわかる作品です。

そしてやっぱりトム・ハンクス演じる刑務所の看守主任ポールは「いい人」です。
プロフィール

萩谷功枝

Author:萩谷功枝
世界史教師をしています。

映画や本の紹介、最新のニュースから感じたこと、など自分の日常を通して、世界史のことを考えていけたらと思います。

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