私の中でのトム・ハンクス作品ベスト

トム・ハンクスが出演した作品について、私の勝手なランキングを作ってみました。
順位をつけるのはどうかと思いつつ、今まで見てよかったと思うものを整理するという目的でのランキングです。
選んだ観点は、俳優トム・ハンクスの味がにじみ出ているということ。
以前このブログで書いたことがあるものはURLを付けましたので、そちらもお読みいただけたらうれしいです。



1.プライベート・ライアン (1998)
監督:スティーヴン・スピルバーグ
第二次世界大戦のノルマンジー上陸を舞台にした戦争映画の最高傑作。
戦闘シーンがすさまじい。
ライアン二等兵を救出せよという命令を受けたミラー大尉。任務に疑問を持ち始めた部下たちをまとめて戦場をくぐりぬける。
そしてライアンがいたのは、人手不足も甚だしい前線の橋だった。
そこでとったライアンとミラー大尉の選択は・・。
瀕死のミラー大尉が若いライアンに言った「無駄にするな。しっかり生きろ。」という言葉が心に残る。
http://haginori55.jp/blog-entry-5.html

2. フォレスト・ガンプ/一期一会 (1994)
監督:ロバート・ゼメキス
前年の『フィラデルフィア』に続き、トム・ハンクスがアカデミー主演男優賞を獲得した作品。
私はこの作品で初めてトム・ハンクスを見たのだが、知的障害のあるフォレスト・ガンプを演じる彼の表情、動作、走り方があまにもそれらしくて、本当に障害のある人を役につけたのかと思ってしまった。

3. フィラデルフィア (1993)
監督:ジョナサン・デミ
エイズを発症してしまったことで法律事務所を解雇されてしまった弁護士のアンディが、これを不当解雇であるとして法律事務所を相手取って訴訟を起こす。
ゲイであること、エイズ患者であることによる差別と闘うアンディ。
コメディ俳優だったトム・ハンクスが初めて取り組んだシリアス・ドラマ。
病気で体が弱っていくアンディを演じて、アカデミー主演男優賞を獲得。
http://haginori55.jp/blog-entry-50.html

4. キャプテン・フィリップス (2013)
監督:ポール・グリーングラス
ソマリア人海賊に乗っ取られた貨物船マークス・アラバマ号の船長。
貧しいがゆえに海賊行為をするソマリア人海賊に対しても、優しいまなざしを注ぐ。
http://haginori55.jp/blog-entry-22.html


5. ハドソン川の奇跡 (2016)
監督:クリント・イーストウッド
ハドソン川に不時着水したUSエアウェイズ1549便のサレンバーガー機長。
冷静な判断、完璧な操縦技術、乗客が一人残らず脱出できたことを確認して最後に飛行機から脱出する責任感。
乗客乗員に一人の犠牲者も出さなかった“奇跡”と呼ばれる飛行機事故でした。
http://haginori55.jp/blog-entry-108.html

6. ブリッジ・オブ・スパイ (2015)
監督:スティーヴン・スピルバーグ
舞台は1960年代の東西冷戦のさなか。U2機撃墜事件、ベルリンの壁構築が起こった時代。スパイ交換の交渉人としてベルリンに向かうドノヴァン弁護士。
スパイ飛行をしていたU2機のパイロットに対しても世間が「なんでおめおめ生き残ったのだ。」という冷たい視線を浴びせる中で、ドノヴァンは「気にするな。」と優しくささやく。(つまり、パイロットが撃墜により死亡していれば、スパイ飛行ではなく、誤ってソ連の領空内に入ってしまったとごまかせるので。)
ベルリンの壁構築の際、ぎりぎりのタイミングで西ベルリンに戻りそこなって東ベルリンに取り残されてしまったアメリカ人留学生に対しても、外交交渉の中で捨て駒にされそうなところを、ドノヴァンは何の罪もないこの学生の救出にこだわる。
ソ連のスパイ一人に対して、パイロットと学生の2人という1対2の交換の交渉。
相手は難癖をつけてくるが、強い胆力をもって、頑として譲らず交渉にあたるドノヴァンがいい。
http://haginori55.jp/blog-entry-47.html

7. グリーン・マイル (1999)
監督:フランク・ダランボン
死刑囚を収容している刑務所の看守。
http://haginori55.jp/blog-entry-109.html

8. アポロ13  (1995)
監督:ロン・ハワード
1970年、第3番目の有人月面飛行をめざしたアポロ13号は、酸素タンクの爆発などのトラブルが発生し、帰還困難状況になる。電力不足にも追い込まれ、電力の節約のため、ヒーターを切ったため船内は1~4℃の寒さになる。乗組員は凍えるような寒さを耐える。さらに二酸化炭素濃度の上昇。大気圏再突入への軌道のずれ。大変なことが次々に起きる。しかし、様々な困難を乗り越え、アポロ13号は無事、地球に帰還する。
どんなときにも冷静に、そして諦めずに最善を尽くしたラヴェル船長。必死に指令を送る地球の管制官や技術者たち。感動ものである。(実話だし。)

アポロ計画は1969年のアポロ11号が人類初の月面着陸を果たし、その後、17号までが打ち上げられ、13号以外の12号、14~17号はすべて月面着陸に成功して、失敗したのは13号だけ。しかし、困難な状況を乗り越えて、無事、地球への帰還を果たしたことから、「失敗の成功」といわれている。

9. キャスト・アウェイ (2000)
監督:ロバート・ゼメキス
トム・ハンクスが増量後22.7kg減量して臨んだ作品。(体に悪い。)
無人島でのサバイバル生活。
子供の頃に読んだロビンソン・クルーソーは、船に積んであった物資を利用して生活を作り上げていくところに夢があってわくわくしたが、こちらはかなり過酷。
本当に何にもない無人島で生きていくのは、なんと困難なことだろう。
そして、無事に帰還できた後のチャック。
自分が死んだものとされた4年間はもう元には戻らない。
イタリア映画の「ひまわり」を思い出した。

10. キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン (2002)
監督:スティーヴン・スピルバーグ
 「見終わった後さわやかな気分になれる」作品。
主演はディカプリオ。
トム・ハンクス演じるFBI捜査官が、何度も詐欺師アバグネイル(ディカプリオ)を追い詰めるのだがそのたびにまんまと騙されて逃げられる。
アバグネイルの言うことを信用してしまったり、気の毒な彼の家庭環境に同情してしまうあたり、FBI捜査官としては詰めが甘いともいえるのだが、そこがなんとも憎めない。
追われる犯罪者、追う警察という長年の関係のはてに行き着いた二人の関係が素敵。

この作品は、実在の人物である天才詐欺師フランク・アバグネイル・Jr.の原作をもとにつくられた。アバグネイルがパイロットや医者という高度な知識・技術を必要とする専門識の人に成りすます。(もちろん、飛行機を操縦するわけでも、医療行為をするわけでもあり
ません。) 人はパイロットの制服や医師の着る白衣に案外弱く、服装だけで信用してしまうのかもしれない。
が、それだけでは詐欺は不可能。それが可能だったのは、アバグネイルの知識の豊富さ、頭の良さがあってこそ。
そして、このアバグネイルの才能を犯罪者のままにはせず、生かそうとするFBI捜査官カール・ハンラティが素晴らしいと思う。アバグネイルに騙されてしまう彼は、間が抜けていると言いたくなるほどだが、最後まで徹底していい人。
ここでもトム・ハンクスの人間的な味がにじみ出ている。

11. ターミナル (2004)
監督:スティーヴン・スピルバーグ
  例えば、1991年のソ連崩壊の時、崩壊前のソ連のパスポートとビザで他国に入国しようとしたときに、ソ連という国がなくなってしまったとしたら、そのパスポートとビザで入国することはできなくなるのかな。クーデタで自国が不安定な状態だと、自国に戻ることもできなくなってしまうのかな。出入国管理法について全く知識はないけれど。
作品はかつてコメディ俳優であったトム・ハンクスの真骨頂。
空港の椅子を並べて寝るシーンで足が詰まって困ってしまうシーンなど、思わず笑ってしまうところがいっぱいあって楽しかった。
長い期間、空港で暮らすことで、そこで働いている人たちをみんな友達にしてしまうビクターのキャラがいい。

12.ビッグ  (1988)
コメディ俳優だったトム・ハンクスの最高傑作。
12歳の少年が突然大人になってしまう。親友のビリー以外はそのことを知らない。
うまいことおもちゃ会社に就職できて、子供の気持ちがわかる社員として、社長に気に入られたり、子供であることがばれないようにつじつま合わせに四苦八苦したり。
くすっと笑いながら楽しい気持ちで見ることができました。

12.ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 (2017)
  監督:スティーヴン・スピルバーグ
アメリカの世論をベトナム戦争反対に転換させた最高機密文書の漏洩。
記事を掲載するかどうするかを葛藤するワシントンポストの社主をメリル・ストリープ。
この作品におけるトム・ハンクスは、ジャーナリストとして迷いがなくて、信念をもって突っ走る。
私はどちらかというと、苦悩するトム・ハンクスの演技が好きなので、彼に焦点を絞ると、順位としてはこんなところかな。
http://haginori55.jp/blog-entry-107.html

トム・ハンクス出演作品の監督をチェックしたら、以上12作品のうち5作品がスピルバーグで圧倒的に多く、このコンビは最強だなと思いました。さらに『ミリオンダラー・ベイビー』のクリント・イーストウッド、『ショーシャンクの空に』のフランク・ダランボン、『ビューティフル・マインド』のロン・ハワード、『羊たちの沈黙』のジョナサン・デミ、『ボーン』シリーズのポール・グリーングラスなど。
名監督と名優のコンビです。
トム・ハンクスは『プリティ・リーグ』で体重を増量、『フィラデルフィア』で減量、『キャスト・アウェイ』で増量の後,減量と、役作りのために過激な体重コントロールをしています。何も、そこまでしなくても、と思ってしまうのですが、役に入り込んだ演技をするトム・ハンクスにとっては当然のことなのでしょう。
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『グリーン・マイル』

オーストラリアで新型コロナに感染してしまったトム・ハンクスが無事回復して帰国し、コロナ治療薬開発のために「血漿」を提供したというニュースをきき、「アメリカの良心」ともいうべきこの人の作品についてブログに書きたくて,もう一度見てみた。

ストーリーの大筋は覚えているつもりだったのだが、細かい部分はだいぶ忘れていた。
初めて見たときには、コーフィのもつ不思議な力に注目がいった。
そして、実は彼は、双子の姉妹の強姦殺人犯ではなく、少女たちを助けたくて血まみれの彼女たちを抱いていたために犯人にされてしまい、えん罪だったのだ、ということ、そのコーフィがどうなるのかに興味が集中した。

時を置いて再び見てみると、違う見方をするものだ。
今回は、「刑務所の日常」に関心が行った。

グリーン・マイル

『グリーン・マイル』

1999年のアメリカ映画
原作:スティーブン・キング
    (『スタンド・バイ・ミー』、『ショーシャンクの空に』の原作者)
監督:フランク・ダランボン (『ショーシャンクの空に』の監督)
出演:トム・ハンクス

グリーン・マイルとは、獄舎から電気椅子へとつながる色あせた緑色の床の通路のこと。
全編3時間9分という長編作品。
エピローグとエンディングの老人施設を除いては、ほぼ全編、死刑囚が収容されている刑務所の中が舞台。

刑務所という特別な環境での職務。
看守という仕事も大変だ。
監房という閉ざされた空間。
相手は犯罪者で、しかもポール(トム・ハンクス)の担当しているのはE棟という、死刑囚を収監している獄舎。
彼ら看守は電気椅子による死刑執行も行わなければならない。
しんどい仕事だと思う。
(現在は薬物注射による死刑執行が主流であるが、この作品の舞台である1932年当時は電気椅子による死刑が行われていた。)

刑務所の看守主任ポールは同僚のブルータルらとともに、死刑囚に対して、残された日々を穏やかに過ごせるようにと、心を配りながら職務を果たしていた。
しかし若い看守のパーシーがそれをかき乱す。
このパーシーが、とんでもなくバカで幼稚で、救いようがない、ダメな人間の典型として描かれている。
思い通りにいかないと、知事の妻の甥であることを利用して、「クビにしてやる」というセリフをはく。
なんの実力もないのに、自分の親戚の権威を笠に着るサイテーな奴なのだ。
自分が悪くても、反省どころか、恥をかかされたことを恨みに思う。

もうひとり。
凶悪な死刑囚ウィリアム・ウォートン(通称ビル
自分が犯した罪について悔いることなどないのだろう。
いつまでも凶暴で、チャンスがあれば看守に対しても危害を加えようとする。

彼らがどうなるのか?
例えば、パーシーが経験を通して成長していくというストーリーも可能だったはずだし、ビルが自分の犯した犯罪をすべて告白して懺悔するという場面を作ることも可能だったはずだ。
が、そんな臭い展開にはならない。
どうしようもない奴はどうにもならないのだ。

瀕死の生き物を蘇らせたり、病を癒す不思議な力を持っているコーフィは、パーシーやビルの「悪さ」が耐えられなくなる。
彼の優しい心は、「いい人」を助けたいという気持ちにあふれているのだ。

しかし...。
「毎日のように、世界中の苦しみを感じたり聞いたりすることに疲れたよ。」
えん罪であることを知って、何とかコーフィを助けたい、しかしどうすることもできないで苦しむポールに対して、コーフィが言った言葉だ。

*****
「いい人」と「悪い人」がステレオタイプで登場しているし、コーフィが不思議な力を持っているということで、ファンタジーのカテゴリーに属する作品なのだが、刑務所の日常や1932年当時の死刑執行の様子はきっとこんな感じだったのだろうということがわかる作品です。

そしてやっぱりトム・ハンクス演じる刑務所の看守主任ポールは「いい人」です。

『ハドソン川の奇跡』

ハドソン川の奇跡

2016年製作のアメリカ映画
監督:クリント・イーストウッド
出演:トム・ハンクス

2009年におこった、USエアウェイズ1549便不時着水事故。
“ハドソン川の奇跡”と呼ばれ、乗客・乗員に一人の犠牲者を出すことなく生還した。

どうせ飛行機事故の再現ドラマでしょ、と言ってしまったらそれまで。
バードストライク(鳥衝突)によって全エンジン停止という事態に見舞われた飛行機が、極限時における機長の冷静な判断によってハドソン川に無事、不時着水するというストリーなのだけれど、この事故のことを報道によりすでに展開も結末も知っていても、96分のこの作品を、映画の世界に入り込んで、飽きることなく、じっくり見ることができます。

なんといっても、サレンバーガー機長(サリー)が素晴らしい。
やはり、この役をやるのはトム・ハンクスしかいないなと思う。
(アポロ13号のラヴェル船長だし、キャプテン・フィリップスだし。)

さらに。
この作品をみて、私が予想外に感動してしまったのは、救助に向かう人々の姿だった。
事故を知って、すぐさま現場に駆け付けるNY沿岸警備隊。
たまたま、ハドソン川に居合わせたフェリーの乗組員たち。
みんな、飛行機から脱出した乗客を救うために、全力で事故機のもとに向かう。

NYの人々の善意、人の命を助けたいという人間の本性、何かすべての良い面がここに集結したようで、見ていて気持ちがよかった。
ハドソン川に不時着水した1549便

Wikiで調べて分かったこと。
クリント=イーストウッド監督は、この作品の撮影のため、本物のエアバスを購入し、救助隊、警察官、ニュースキャスター、救助に携わった当時の関係者を本人役で多数出演させたそうだ。ラストの実際の映像を見たときに、作品に出演していた人にそっくりなので、良くこんな似た人を探してくるものだと思っていたのだが、本物を起用したのだとわかって納得。
それでこの作品のリアルさが増した。
全員生還という奇跡のような結果でなければ、関係者に出演依頼しても断られたと思うけれど、出演をOKした人たちは、きっと救助にかかわれたことを誇りに思っていることと思う。

もう一つ。
作品では、事故調査委員会が、本当に機長の判断が正しかったのかということを厳しく取り調べるのだが、実際は、事故調査委員会の取り調べは型通りで、機長ら乗務員は直後から称賛され、英雄視されたという。
この作品では、事故調査委員会が、近くの空港に緊急着陸したほうが安全な選択だったのではないか、ハドソン川に不時着水という判断は乗客を危険にさらしたことになるのではないかと執拗に追及する。
しかし、シミュレーションの結果、近くの空港への緊急着陸は不可能であり、その選択をした場合、市街地に墜落する大惨事になりえたことも分かった。
作品上、事故調査委員会の意地悪なような取り調べを持ってくることで、「ハドソン川に不時着水するしかないという機長の判断は正しかったのだ。」ということが完全に証明されたわけだ。


見終わった後、「よかった。」と思える作品です。

奇跡がくれた数式

奇跡がくれた数式
奇跡がくれた数式2


2016年公開のイギリス映画
原作は『無限の天才、夭折の数学者ラマヌジャン』
出演:デブ・パテル(ラマヌジャン)」
   ジェレミー・アイアンズ(ハーディ)

めちゃめちゃ頭のいい人のストーリーが結構好きである。
特に数学のできる人の話は面白い。

この作品は、数学に天才的な才能を持つ貧しいインド人青年ラマヌジャンが、彼の才能を理解してくれた数学者のハーディやリトルウッドと共に研究を続けたことを描いたもの。
同じく数学者(経済学者)を主人公にした『イミテーションゲーム』や『ビューティフル・マインド』に比べると、驚くような展開があるわけではなく、地味な構成ではあるけれど、当時の権威主義的なイギリスの学会が、植民地インドから来た貧しい学歴もないラマヌジャンに対して差別的な扱いをする中で、彼に理解を示すハーディとリトルウッドがまったく対等の立場でともに研究を進めていくのが素晴らしい。

普段縁のない数学の世界ではあるけれど、この作品を見て、奥が深くて、まだまだ解明できてないことはいっぱいあり、ラマヌジャンのように天才的なひらめきを持った人が解明に挑むような難題がいっぱいあることがわかった。

素数についてはなんとなく知っていたけれど、分割数については、その言葉自体をはじめて聞いた。
分割数とは、「自然数nの分割の総数を表す数論的関数」だそうだ。
4の分割数は5。P(4)=5 と表す。
どういう事かというと、4という数を分割すると、
4、3+1、2+2、2+1+1,1+1+1+1
の5種類があるという事。
ここまでは、頭の中で理解できる。
P(200)となると、ラマヌジャンの計算では3兆9729億9802万、だそうで、ここまで来ると、数学者の間での誤差何パーセントかを問題にするような、素人(シロウト)にはわけのわからない話になっていく。
ラマヌジャンは、不可能と言われた分割数の公式に挑んでいく。

ラマヌジャンにとっては、あらゆる正の整数が「親しいお友達」なのだ。
タクシーナンバーの「1729」は、普通の人にとってはただのつまらない4ケタの数字に過ぎないが、彼にとっては、
「立法数の和で、2通りに表せる最小の数」。
つまり、1729は 12の3乗 + 1の3乗 = 10の3乗 + 9の3乗なのだそうだ。
(きれいに式が表記できなくてすみません)
     

この作品のテーマは、貧しさ、差別と偏見のある恵まれない環境の中研究を続けるラマヌジャンと、彼の才能を信じたハーディとの心の交流なのだと思う。
ラマヌジャンが病気のため若くして亡くなってしまったのは、人類レベルで残念なことだけれども、彼の研究は、これからも数学者たちに影響を与え続け、ラマヌジャンの公式はビッグバンの研究に役立っているという。


*******
ブログを書いている途中、はるか昔の高校生の時に、よくわからなかった「順列と組み合わせ」を、図書室で先輩にわかりやすく教えてもらい、その先輩のことを素敵だと思ったことを思い出した。
数学のできる人は私にとってあこがれの存在らしい。

以下は、以前このブログで書いた、数学者を主人公にした作品です。
『イミテーションゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』
現在のコンピューターの基礎をつくったアラン・チューリングのお話。
http://haginori55.jp/blog-entry-54.html

『ビューティフル・マインド』
ノーベル経済学賞をとったジョン・ナッシュのお話。
http://haginori55.jp/blog-entry-36.html

どちらも、面白かったです。

「LION/ライオン~25年目のただいま~」

2020年4月。コロナ感染防止のための外出自粛要請が出て、STAY HOMEで過ごしています。
こんな時、amazon プライムはありがたい。家に居ながら、無料配信されているものや、かねてから見たいと思って見逃した作品を検索してみることができます。

今回は、無料配信されていた「LION/ライオン~25年目のただいま~」を観ました。
2016年のオーストラリア・アメリカ・イギリス合作。
キャッチコピーは、
迷った距離1万キロ、探した時間25年、道案内はGoogle Earth.
ライオン

前半:とにかく子役がかわいい。
やさしいお母さんと大好きなお兄ちゃん達家族と、貧しいながらも愛情に満ちた暮らしをしていたサルーは、お兄ちゃんとはぐれ、
迷い込んだ長距離回送列車が発車してしまい、下りるに降りられず、自分の住んでいた町からはるか離れたコルカタに到着してしまう。変な人に連れて行かれそうになっても、賢いサルーは走って、走って、逃げる。
5歳の幼児が全力で走る姿がいい。ドキドキしながら応援してしまう。

後半:オーストラリアの夫婦に養子としてひきとられたサルーは、養父母の愛情のもと、大切に養育され、成人した。
恵まれた生活をしていたサルーだが、自分の生まれ育った町のこと、離ればなれになった家族のことがどうしても知りたい。
おぼろげな記憶のもと、Google Earthを頼りに、自分の生まれ育った町を探していく。

サルー

ニコールキッドマン

成人したサルーを演じたのはデブ・パテル。
『スラムドッグ$ミリオネア』で次々にクイズに答えていったあの人。

そして育ての親スーを演じたのはニコール・キッドマン。知的で、素敵。
この人についてwikiで調べてみたら、関わっている慈善活動がたくさんあってすごかった。
この作品でも、日本ではあまり一般的でない「養子」という制度についても知ることができた。

養子として引き取った子供が必ずしもサルーのようにかわいくていい子とは限らない。
2人目の養子のマントッシュのように、心に不安定さを抱え続け、育ての親との確執のあるケースもあるだろう。
作品の中では、スーとジョンの養父母が、そのこともきちんと踏まえて、養子を引きとっているというのがすごいと思った。
決して簡単なことでないのも覚悟の上なのだ。
さらに、育てた子供が、サルーのように実の親を探し当てたいという場合も出てくるだろう。
この養父母はその気持ちをきちんと理解して送り出す。
しかも、この夫婦は子供ができないから養子をとろうとしたのではない。
最初から恵まれない子供の誰かを救いたかったのだ。
見返りなどを求めてはいない、愛の深い人たちなのだと思う。

見終わった後、気分がよくなる作品です。お勧め度★★★★★です。
プロフィール

萩谷功枝

Author:萩谷功枝
世界史教師をしています。

映画や本の紹介、最新のニュースから感じたこと、など自分の日常を通して、世界史のことを考えていけたらと思います。

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