私の中での「脱出モノ」ベスト

映画好きの夫の友人Kさんから「マイ・ベスト・ワースト」という映画のリストを送ってもらい、さらにKさんの先輩Sさんの「映画日誌」なる小冊子を送ってもらった。
KさんもSさんも年間に見る作品の本数が半端ない。とても追いつかないと思いながらも、見たいと思う作品が満載のリストをながめて楽しんでいる。
そのSさんの「映画日誌」に「脱出モノにはずれなし」「法廷モノにはずれなし」という言葉があり、まさに「同感!」と思った。
それならば、自分なりの「脱出モノ」「法廷モノ」のランキングを作ってみようと思いついた。

まずは、「脱出モノ」から。
自分のブログの過去記事をたどってみると、「脱出モノは私の好きなジャンル」と書いているものがいくつかあった。
今回はそのまとめ整理です。
ブログの過去記事については,それぞれの作品の下にURLを付しておきましたので、そちらも参考にしていただけたら嬉しいです。
1と4は「私の好きな映画10選」という過去記事で書きました。
https://haginori55.jp/blog-entry-63.html


1.ショーシャンクの空に
1994年のアメリカ映画
ショーシャンクの空に

これぞ、脱獄モノの最高傑作!
やはり、脱獄の方法はこれしかないかも。

 ストーリーの展開は激動で、途中、「えっ!」「えっ!」の連続なのに、淡々とした描き方で映画は進行していき、そして、見終わった後、なんだかわからない感動がジワッときた。見た翌日もそのまた翌日もいろいろな場面を思い出しては、「よかったな。」などとつぶやいて、作品の余韻に浸った。
無実の罪で投獄された主人公アンディ(ティム・ロビンス)が脱獄をはかるものなのだが、モンテクリスト伯のようなドロドロとした復讐劇ではない。主人公はあまりにも理不尽な運命にさらされるのだが、感情的になって悲嘆したり、絶望したりはせず、淡々とした態度をとりつつ、しかし諦めずに打開の方法を見出していった。
彼の粘り強さ、不屈の魂に圧倒される。人間とは強いものなのだ、そして人間の心は自由であるべきなのだ、と思った。
私は自分の状況があまり良くないとき、この作品のことを思い出してみる。そして、アンディの忍耐強さのことを頭に浮かべる。すると、なんだか励まされる。


2.大脱走
1963年のアメリカ映画。(今から60年近く前の作品。)
1960~70年代のトップスター、スティーブ・マックイーンの代表作でもある。
大脱走


第二次世界大戦中、ドイツ北部の捕虜収容所から連合軍の捕虜200~300名がトンネルを掘って脱出し、ドイツ中に拡散するという大脱走を企てる。
目的は脱走捕虜の収容のためにドイツ軍に労力をかけさせること。
前線で戦えない捕虜にとって、脱走によって敵の後方を攪乱するのは任務でもある。
収容所を脱出したメンバーは、自転車やバイクを盗んで逃走したり、川に出てボートに乗ったりとそれぞれの逃走劇をくり広げる。
明るい曲調の「大脱走のマーチ」にものせられて、捕虜たちの逃走を応援してしまう。
https://haginori55.jp/blog-entry-24.html

3.アルゴ
2012年のアメリカ映画。
ベン・アフレック監督・主演
1979年のイランでおこったアメリカ大使館人質事件を舞台とした作品。
ベン・アフレック


親米路線をとっていたパフレヴィー王がイラン革命により倒されアメリカに亡命した。イランの民衆の国王への反発は、アメリカへの憎悪の感情にまで発展し、人々は群衆となってアメリカ大使館前に押し寄せる。憎悪の感情を抱えた大勢の人によるエネルギーは恐ろしいほどだ。
この事件ではアメリカ外交官や海兵隊員とその家族計52人が人質となり、拘束された。解放されたのは事件発生から444日後のことであった。
事件発生の直前、間一髪でアメリカ大使館から抜け出したアメリカ外交官6名がいた。彼らはカナダ大使公邸に逃げ込み、かくまわれる。
この6名のイランからの脱出を描いたのがこの作品。
「脱出モノにはずれなし」の言葉通り、飛行機が離陸するまでハラハラ・ドキドキの連続だった。
途中、子供を使ってシュレッダーにかけられた6人の顔写真を復元してしまうシーンがある。ジグソーパズル1000ピースも完成する自信のない私としては、ここまでやるかと恐怖すら感じた。
https://haginori55.jp/blog-entry-23.html

4.キリング・フィールド
1984年のアメリカ・イギリス合作映画。
キリング・フィールド

カンボジアは1976~79年の4年間、ポル・ポト政権下で信じられないような滅茶苦茶な政策が行われた。知識人は弾圧され、農村で強制労働をさせられた。
この作品は、アメリカ人新聞記者シャンバーグとカンボジア人通訳のディス・プランの友情の物語。アメリカ軍の撤退とともにシャンバーグがディス・プランをつれてアメリカに戻ろうとするときのハラハラが前半のヤマ。偽造パスポートで何とかディス・プランを出国させたかったけれど、証明写真がうまく製造できない...。
後半は、カンボジアに残ったディス・プランが、ポル・ポト政権下の農村で、理不尽としか言いようのない環境のもとで生き抜いていく様子。ポル・ポト政権下では教師やジャーナリスト・通訳などのいわゆる知識人は弾圧の対象。ディス・プランは前職が何であったかを問われる誘導尋問もすり抜けて、農作業をしながら脱出のチャンスを狙う。そしてそこからの脱出劇。
ラスト。タイ国境にまで逃げ延びたプランが、新聞記者のシャンバーグとの再会を果たした時に流れるジョン・レノンの「イマジン」で、ボロボロに泣けてしまう。

5.遠い夜明け
1987年のイギリス映画
監督:リチャード・アッテンボロー
アパルトヘイトが行われていた1970年代の南アフリカを舞台とした作品。
遠い夜明け

前半は黒人解放活動家ビコ(デンセル・ワシントンン)と白人記者ドナルド・ウッズの交友。
ビコは知的で魅力的な人物。演説のうまさ、説得力、さわやかな笑顔。リーダーたりうる素養をもっている。白人社会を壊そうとは言っていない。白人と黒人が平等な南アフリカを作りたいのだと。そして、警察が行う暴力をやめさせたいのだ。
しかし、ビコは拘禁され、獄中での暴力が原因で死去。
ウッズは、ビコの死を調査し、それを公表しようとするが、政府、警察はそれを阻止する。南アフリカの現状を世界に訴えようとするウッズは亡命を決意。彼の行動を監視する警察。ここからは、ウッズと家族の脱出劇。
ウッズはまず南アフリカに囲まれた内陸国レソトに逃げ込み、家族と待ち合わせ、そこから飛行機でボツワナへ行く計画をたてる。
しかし、レソトからボツワナへは、南アフリカ上空を通過しなければ到達できない。
上空を飛んだら強制着陸させる、と脅す南ア政府。
「脱出モノにはずれなし」の言葉通り、ハラハラ・ドキドキの連続。

ラスト。飛行機のなかのウッズは、万感の思いで南アフリカの国土を上空から眺める。
ここで流れる「神よ、アフリカに祝福を」という曲が美しくてボロボロに泣いてしまう。
(この曲と「南アフリカの呼び声」という2曲と合わせて編曲したものを、1997年にネルソン・マンデラが南アフリカの国歌として制定した。)

エンディングでは、美しい南アの風景の映像の下に、拘置中に死亡した者の名前と死因が字幕で延々と流れる。
その数の多さ。明らかに嘘であろうと思われる死因。
(首つり自殺、転落死、転倒死...。そんなはずはない。獄中での暴力によるものでしょう。)
https://haginori55.jp/blog-entry-18.html

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以上、私の中での「脱出モノ」ベスト5をあげてみました。
「ショーシャンク・・」以外は、すべて歴史的な背景があります。戦争、革命、信じられないような悪政、差別と弾圧。それを描いた作品であり、脱出劇を盛り込むことで、見ているものを飽きさせない展開になっています。
少々&かなり古い作品ばかりになってしまいましたが、どれも素晴らしい作品だと思います。
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いいですねぇ〜。

さすが世界史の先生!社会派映画がgoodです!
僕は、先生の1位2位も含めやっぱり娯楽系の脱獄がいいナ。例えば『パピヨン』(73年。S・マックイーン、ダスティン・ホフマン。2人が漕ぎ出すラストの真っ青な海!)とか『ザ・ロック』(96年。ニコラス・ケイジ、ショーン・コネリー)とか『暴力脱獄』(67年。ポール・ニューマン。(どうでもいいけど、ひどい邦題!))とか…ですね。
脱出モノでは、陳腐だけどやっぱり『ダ・ハード』ですかな…。

Re: いいですねぇ〜。

コメントありがとうございます。娯楽系の脱獄モノもいいですね。私は社会派映画については、その背景の歴史を調べたり考えたりして、文が書けるのですが、娯楽系のものについての文を書くのは苦手で、ブログには書かないのですが、もちろん楽しんでいます。でも、見ている絶対数が少ないので、『パピヨン』『ダイ・ハード』以外は見ていないので、今後の楽しみにしたいと思いました。映画情報、とても参考になりす。
ここで、気が付きました。この2作は、夫婦で見ているのです。いつか、夫婦で楽しめる作品ベストというのも作ってみたいものだと思いました。

私も1位はショーシャンク

"ショーシャンクの空に"は私も1番好きな映画です。脱出でなくてもベスト5に入るくらい好きです。4位と5位の映画は知らなかったのでチェックしてみます❤️
プロフィール

萩谷功枝

Author:萩谷功枝
世界史教師をしています。

映画や本の紹介、最新のニュースから感じたこと、など自分の日常を通して、世界史のことを考えていけたらと思います。

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