『モーリタニアン/黒塗りの記録』

『モーリタニアン/黒塗りの歴史』
2021年のアメリカ・イギリス合作映画
モーリタニアン/黒塗りに記録

2015年に出版された実在の人物モハメドゥ・スラヒの〈手記〉をもとに制作された真実に基づくストーリー。

モーリタニア人のスラヒは、2001.9.11の同時多発テロの容疑者として、キューバにある米軍基地グアンタナモに設置された刑務所に不当に拘禁された。

人権派弁護士ナンシー(ジョディ・フォスター)は、若手弁護士テリー(シャイリーン・ウッドリー)をアシスタントにつけて、スラヒ(タハール・ラリム)の弁護を買ってでて、グアンタナモに乗り込む。同じころ、テロ犯の容疑者を死刑にしたい政府から、スラヒを起訴することを命じられたカウチ中佐(ベネディクト・カンバーバッチ)も調査に乗り出す。

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キューバに設置されているグアンタナモの刑務所はテロ犯など収容し、酷い拷問が行われていると非難されている
そこを舞台としたストーリーなので、きっと見るに堪えない拷問シーンがあるのだろうな、、そういうのはあんまり見たくないなあ、怖いなあ、と思いながら、しかし、これはアメリカの汚点であり、あってはならないことが行われているのだとしたら、やはり、見ておかねば、などと思いながら劇場に行ってきました。

見に行ってよかったです。
残虐な拷問シーンを見せつけて、アメリカの非道を訴えるような作品ではありませんでした。もちろん、グアンタナモで行われているような拷問は、21世紀の法治国家アメリカにおいてあってはならないことで、作品でも、その酷さはきちんと描いています。
しかし、この作品はグアンタナモを批判しているというより、この理不尽な状況に対して、それに耐え、希望を失わなかったスラヒと、彼を救おうとしたナンシーとテリー、あるいは彼を起訴する任務を受けながら、グアンタナモで行われていることに疑問を持つカウチ中佐ら、登場する人物たちの素晴らしさを描いたものだと思いました。

スラヒという人物がすごいです。彼は全くテロに関与していないのに、長期にわたり拘禁され、苦痛を伴う扱いや、自尊心を奪うような屈辱的な扱いを受けました。
それなのに正気を失わず、希望を捨てませんでした。

すごいです。
モーリタニアン スラヒ


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(参考までに)
2009年、オバマ大統領はグアンタナモ閉鎖を表明したが、実現に至っていない。
拷問は国際法でもアメリカの法律でも禁止されているが、トランプ大統領はこれを合法化しようとした。バイデン大統領は、オバマさんの政策を引き継ぎ決着したいはずだが、アフガニスタンでタリバンが政権を取ってしまうなど、情勢はよい方向に進んでいるとは言えない。
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萩谷功枝

Author:萩谷功枝
世界史教師をしています。

映画や本の紹介、最新のニュースから感じたこと、など自分の日常を通して、世界史のことを考えていけたらと思います。

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