強調文
2019年のアメリカ映画。
世界最高の辞書OED(オックスフォード英語辞典)の誕生秘話を描いた作品。
出演:
メル・ギブソン(ジョン・マレー博士。貧しい生い立ちから学位を持たず、独学で言語学を追究する孤高の学者。)
ショーン・ペン(ウィリアム・マイナー。精神を病んだ元軍医。戦争中の体験から、常に何者かに命を狙われているという強迫観念に苦しむ。そして、自分を襲おうとした人物を銃で撃つという殺人事件を起こしてしまう。しかし、それはマイナーの妄想による人違いだった。)
***
オックスフォード英語辞典というと、名前を聞いただけで、権威のある学者たちが共同作業で作り上げていって完成したのだろうなと、勝手に想像してしまっていた。
そうではなかった。
これを完成したのは、学位をもたない博士と、精神を病んで殺人を犯してしまった狂人だった。
(“狂人” !! 今ではあまり使用しない差別用語ですが、タイトルです。)
***
辞書は、一朝一夕にできるものではない。
気の遠くなるような時間、労力、そして根気を必要とする地味な作業だ。
言葉の意味・定義・使い方を示していく。
それは、その言葉の現在についてだけではなく、その言葉の長い年月の間の変化までたどっていき、判例をあげて実証していく。
16世紀のトマス・モア、シェークスピアからずっと・・・。
古典にあたり、その言葉が使われている箇所を探す。
********
この作品のテーマはやはりタイトル通りかなと思う。
これは、学位を持たない博士のマレーと、その作業を支える精神状態が不安定な殺人犯のマイナーの心の交流の物語だ。
マイナーの症状は作業に没頭することで改善されていく。
心を病んでしまった者は何かに没頭するとよいようだ。
しかし、症状は不安定で、改善された様子を示しても、再び強い精神的ショックによりぶり返す。
それは、マイナーが誤って殺してしまった男の妻であるイライザとその家族との関係が大きく影響する。
*****
さまざまな困難が襲い掛かる。
それでも、辞書の完成に打ち込むマナー。
辞書完成の背後にあった人間模様のことを思うと、感慨深い。
********************
メル・ギブソンとショーン・ペンについて。
メル・ギブソンといえば『ブレイブハート』と『パトリオット』。
『ブレイブハート』では、13世紀末のイングランド王エドワード1世の暴政に抵抗するスコットランドの英雄ウォレス。処刑台の上から「フリ~ダ~ム!!」と叫ぶラストシーンが忘れられない。
『パトリオット』では、アメリカ独立戦争でイギリスからの独立を求めて戦う家族を殺された父親の姿が印象に残る。
かっこいい。
1956年生まれで、御年66歳。素敵な歳の重ね方をしている。
一方、ショーン・ペン。
クセのある役柄がうまい役者だ。死刑囚、知的障害など。
メル・ギブソンとショー・ペンによる『博士と狂人』という作品があると聞いた時、狂人の役はショーン・ペンだなと、見る前からわかった。
すごい俳優だと思う。
『デッドマン ウォーキング』では、死刑囚を演じた
。こいつの言っていることは本当のことなのか、死刑を逃れたいためのウソなのか?
悔いているのか、最後まで反省のかけらもないようなクズなのか?
見ているものを惑わすような絶妙な演技だ。
『アイ・アム・サム』。知的障害を抱えながらも、娘を育て上げる父親を演じた。知的障害の演技がうますぎて、自分の思いだけで突っ走ってしまい、周りがまったく見えていないところなど、素でやっているのかとすら感じてしまう。
『ミスティック・リバー』では、娘を殺されてしまった父親という、被害者の立場の役柄だったけれど、娘に対する異常なほどの愛の深さは、犯人に対する憎しみから、何をやらかすかわからないような狂気を感じさせた。
普通でない人の役柄が本当に似合う人。
そして、素顔の彼は本当にいい人なのだと思う。
2週間ほど前(2022年3月末)、彼は、ウクライナを支援する立場からのドキュメンタリー映画を作るためにウクライナ入りした。(現在は帰国したとのことであるが。)
戦闘地域に飛び込んでいくのは無謀ではあるかもしれないが、ウクライナ支援のために何ができるかということを考えた行動だったのだろう。
*******
世界中の人たちが、ウクライナのために何かできないかと思っている。

2019年のアメリカ映画。
世界最高の辞書OED(オックスフォード英語辞典)の誕生秘話を描いた作品。
出演:
メル・ギブソン(ジョン・マレー博士。貧しい生い立ちから学位を持たず、独学で言語学を追究する孤高の学者。)
ショーン・ペン(ウィリアム・マイナー。精神を病んだ元軍医。戦争中の体験から、常に何者かに命を狙われているという強迫観念に苦しむ。そして、自分を襲おうとした人物を銃で撃つという殺人事件を起こしてしまう。しかし、それはマイナーの妄想による人違いだった。)
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オックスフォード英語辞典というと、名前を聞いただけで、権威のある学者たちが共同作業で作り上げていって完成したのだろうなと、勝手に想像してしまっていた。
そうではなかった。
これを完成したのは、学位をもたない博士と、精神を病んで殺人を犯してしまった狂人だった。
(“狂人” !! 今ではあまり使用しない差別用語ですが、タイトルです。)
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辞書は、一朝一夕にできるものではない。
気の遠くなるような時間、労力、そして根気を必要とする地味な作業だ。
言葉の意味・定義・使い方を示していく。
それは、その言葉の現在についてだけではなく、その言葉の長い年月の間の変化までたどっていき、判例をあげて実証していく。
16世紀のトマス・モア、シェークスピアからずっと・・・。
古典にあたり、その言葉が使われている箇所を探す。
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この作品のテーマはやはりタイトル通りかなと思う。
これは、学位を持たない博士のマレーと、その作業を支える精神状態が不安定な殺人犯のマイナーの心の交流の物語だ。
マイナーの症状は作業に没頭することで改善されていく。
心を病んでしまった者は何かに没頭するとよいようだ。
しかし、症状は不安定で、改善された様子を示しても、再び強い精神的ショックによりぶり返す。
それは、マイナーが誤って殺してしまった男の妻であるイライザとその家族との関係が大きく影響する。
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さまざまな困難が襲い掛かる。
それでも、辞書の完成に打ち込むマナー。
辞書完成の背後にあった人間模様のことを思うと、感慨深い。
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メル・ギブソンとショーン・ペンについて。
メル・ギブソンといえば『ブレイブハート』と『パトリオット』。
『ブレイブハート』では、13世紀末のイングランド王エドワード1世の暴政に抵抗するスコットランドの英雄ウォレス。処刑台の上から「フリ~ダ~ム!!」と叫ぶラストシーンが忘れられない。
『パトリオット』では、アメリカ独立戦争でイギリスからの独立を求めて戦う家族を殺された父親の姿が印象に残る。
かっこいい。
1956年生まれで、御年66歳。素敵な歳の重ね方をしている。
一方、ショーン・ペン。
クセのある役柄がうまい役者だ。死刑囚、知的障害など。
メル・ギブソンとショー・ペンによる『博士と狂人』という作品があると聞いた時、狂人の役はショーン・ペンだなと、見る前からわかった。
すごい俳優だと思う。
『デッドマン ウォーキング』では、死刑囚を演じた
。こいつの言っていることは本当のことなのか、死刑を逃れたいためのウソなのか?
悔いているのか、最後まで反省のかけらもないようなクズなのか?
見ているものを惑わすような絶妙な演技だ。
『アイ・アム・サム』。知的障害を抱えながらも、娘を育て上げる父親を演じた。知的障害の演技がうますぎて、自分の思いだけで突っ走ってしまい、周りがまったく見えていないところなど、素でやっているのかとすら感じてしまう。
『ミスティック・リバー』では、娘を殺されてしまった父親という、被害者の立場の役柄だったけれど、娘に対する異常なほどの愛の深さは、犯人に対する憎しみから、何をやらかすかわからないような狂気を感じさせた。
普通でない人の役柄が本当に似合う人。
そして、素顔の彼は本当にいい人なのだと思う。
2週間ほど前(2022年3月末)、彼は、ウクライナを支援する立場からのドキュメンタリー映画を作るためにウクライナ入りした。(現在は帰国したとのことであるが。)
戦闘地域に飛び込んでいくのは無謀ではあるかもしれないが、ウクライナ支援のために何ができるかということを考えた行動だったのだろう。
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世界中の人たちが、ウクライナのために何かできないかと思っている。
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