
2015年 1時間38分のドキュメンタリー
製作国:ウクライナ・アメリカ・イギリス
製作の一部をNetflixが担い、今回のロシアのウクライナ侵攻(2022)をうけて、Netflixはこの作品をYouTubeで無料配信。(もちろんNetflixでも無料で見られます。)
2013年11月~2014年2月のウクライナ騒乱(マイダン革命)の93日間を反政府デモに参加した学生・市民らの証言をもとにしたドキュメンタリー作品。
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2022年2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻は、激しさを増している。
ウクライナの男性たちは家族を国境まで送り届けた後、ロシアと戦うために住んでいた都市に戻っていくという。
決して逃げない。
祖国を護るために命を懸けて戦うのだという。
妥協という選択肢がないことに驚く。
しかし、ウクライナの人たちにとって、命を懸けて戦うというのは、これが初めてではなかった。
2013~14年のマイダン革命で、「自由」・「人間としての尊厳」のために命を懸けて団結して闘ったという経験があったのだ、ということをこの作品で知った。
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マイダン革命について。
EU加盟による経済の安定を求めて、ウクライナではEU加盟の申請を政府に求めていた。
2010年、大統領となったヤヌコーヴィッチは、EU加盟申請を公約するも、密かにロシアとの関係強化を強めていた。2013年秋、ヤヌコーヴィッチはEUとの協定に署名する直前で裏切り、交渉は破綻した。
ウクライナの人たちの怒りは大統領の退陣を求める運動に発展した。
独立広場に集まろう!というFacebookの呼びかけに何千人もの人々が応じた。
武器を持たない丸腰の市民が議会まで平和的行進をするはずだった。
一体感による高揚。
市民たちの運動は盛り上がっていった。
これに対して、政府側はベルクトという警察の特殊部隊による弾圧をはかった。
同じウクライナ人であるはずのベルクトが、鉄のこん棒で市民を殴る。
酷い。
さらに政府は、ティテュシュキ―と呼ばれる一団を弾圧に投入する。
ティテュシュキーは政府に雇われた悪党どもで、たいていは刑務所に入っていた人たち。
はした金のために喜んで人を殺す連中。
そんなやつらを組織して、弾圧にまわらせる。
酷い。
市民の側に、死者・負傷者が多数発生する状況になるのだが、人々は勇敢に闘った。
死ぬのは怖くない。
僕らの自由を守るためだ。
ここで勝てば、ウクライナは自由世界の一員だ。
僕らは奴隷にはならない。
(デモに参加した反政府派市民の言葉)
93日目。
ヤヌコーヴィッチはロシアに亡命した。
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感想。
市民が団結して闘っている姿は感動的。
ロシアに言いなりのヤヌコーヴィッチ大統領を許さない。
市民を暴力で抑え込もうとするヤヌコーヴィッチを許さない。
そして、市民が勝利した。
2015年に制作されたこの作品は、ウクライナの人たちが、逃げずに勇敢に闘った記録だった。
鉄のこん棒と、ゴム弾だけでなく実弾をも装填したした銃を使って、同胞であるはずのウクライナ人市民に対して攻撃をしてくるベルクトとの闘いだった。
その8年後、ウクライナの人たちは、戦車と実弾とミサイルによるロシアの攻撃と戦っている。
こんな暴挙は終わらせなければならない。
世界中が見守っている。
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