「映画から考える世界史」というblogタイトルで、このblogを書いている。
続けていると、知り合いからの映画情報も頻繁に入ってくるようになる。
そして、「よかったよ。」と教えてもらったのが、『善き人のためのソナタ』。
口コミ情報にハズレなし。

2006年のドイツ映画。(今から15年ほど前の作品。)
Amazon プライムで100円でレンタルして見た。
ベルリンの壁崩壊の5年前である1984年の東ベルリンが舞台。
冷戦下での東ドイツ社会の様子がよくわかった。
監視社会のなかで生きるのは、監視される側はもちろん、監視する側も息苦しくてたまらないだろうと思った。
それにしても、国家が、反体制派であるとみなした人物の自宅に盗聴器を仕掛けてまで、体制維持をはかろうとしていたとは.....。
バレるのではないか、見つかるのではないかというハラハラする場面。
主役のヴィスラー大尉は権力側の手先としての立場を貫くのか、それとも裏切るのか?
スパイ映画を見ているような面白さがあり、引き込まれた。
ヴィスラー大尉は無表情で、感情をおもてに出さない。
エレベーターで乗り合わせた子供が、
「おじさんはシュタージなの?シュタージは、人を刑務所に送る悪い人だって、お父さんが言ってたよ。」と言った時、ヴィスラーはその子供に「名前は?」と問うた。
見ていて緊張し、思わず息をのみこんだ。
(うわっ!大変だ。だめだよ、名前を言ったら。お父さん、つかまっちゃうよ!!!)
何が正しいのか、どのような行動を選択すればよいのか。
シュタージは、盗聴器から知りえた反体制派人物の言動・行動を逐一正確に報告しなければならない。
報告しないことや、見逃すことは、自らの立場を危うくする。
彼は、どのような行動をとるのか?
そして、ベルリンの壁崩壊後。
ラストの本屋さんの場面で、ヴィスラーが手に取った本のタイトルと、本を開いた最初のページに書いてあったことに涙が溢れた。
***************************
(参考までに)
シュタージとは、東ドイツの秘密警察・諜報機関を総括する国家保安省という省庁のことである。正規職員は陸軍の兵士と酷似した制服を着用し、軍隊式の階級をもった。
対外諜報機関として、西ドイツをはじめとする西側諸国にスパイを送り込んだほか、東ドイツ国内の反体制派に対する徹底的な監視を行った。IM(非公式協力者)と呼ばれた密告者を抱え、その総数は、最盛期で、正規職員が9万人、IMは約190万人いたとされる。
国民の1割以上が、秘密警察に関与していたことになる。
シュタージが残した600万件に及ぶ、東西ドイツ市民に関する個人データはシュタージ文書と呼ばれ、ドイツ統一後も保管され現在、国立の管理機関により管理され、個人的閲覧も可能である。
*************
なぜ、ここまで肥大した組織になってしまったのだろう。
東ドイツ時代、権力側にくみすることで身の安全をはかろうとした人たちが、東西ドイツ統一後は、密告者であった過去を伏せるために苦しんでいる。
ごく身近な人が密告者であり、自分を監視していたことを知り、人間関係にひびが入ることもあるという。
そのことを考えると、ベルリンの壁開放後、ヴィスラーが地味な生活の中で穏やかにキャリーバッグを引きながら歩いていた姿が胸を打つ。
続けていると、知り合いからの映画情報も頻繁に入ってくるようになる。
そして、「よかったよ。」と教えてもらったのが、『善き人のためのソナタ』。
口コミ情報にハズレなし。

2006年のドイツ映画。(今から15年ほど前の作品。)
Amazon プライムで100円でレンタルして見た。
ベルリンの壁崩壊の5年前である1984年の東ベルリンが舞台。
冷戦下での東ドイツ社会の様子がよくわかった。
監視社会のなかで生きるのは、監視される側はもちろん、監視する側も息苦しくてたまらないだろうと思った。
それにしても、国家が、反体制派であるとみなした人物の自宅に盗聴器を仕掛けてまで、体制維持をはかろうとしていたとは.....。
バレるのではないか、見つかるのではないかというハラハラする場面。
主役のヴィスラー大尉は権力側の手先としての立場を貫くのか、それとも裏切るのか?
スパイ映画を見ているような面白さがあり、引き込まれた。
ヴィスラー大尉は無表情で、感情をおもてに出さない。
エレベーターで乗り合わせた子供が、
「おじさんはシュタージなの?シュタージは、人を刑務所に送る悪い人だって、お父さんが言ってたよ。」と言った時、ヴィスラーはその子供に「名前は?」と問うた。
見ていて緊張し、思わず息をのみこんだ。
(うわっ!大変だ。だめだよ、名前を言ったら。お父さん、つかまっちゃうよ!!!)
何が正しいのか、どのような行動を選択すればよいのか。
シュタージは、盗聴器から知りえた反体制派人物の言動・行動を逐一正確に報告しなければならない。
報告しないことや、見逃すことは、自らの立場を危うくする。
彼は、どのような行動をとるのか?
そして、ベルリンの壁崩壊後。
ラストの本屋さんの場面で、ヴィスラーが手に取った本のタイトルと、本を開いた最初のページに書いてあったことに涙が溢れた。
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(参考までに)
シュタージとは、東ドイツの秘密警察・諜報機関を総括する国家保安省という省庁のことである。正規職員は陸軍の兵士と酷似した制服を着用し、軍隊式の階級をもった。
対外諜報機関として、西ドイツをはじめとする西側諸国にスパイを送り込んだほか、東ドイツ国内の反体制派に対する徹底的な監視を行った。IM(非公式協力者)と呼ばれた密告者を抱え、その総数は、最盛期で、正規職員が9万人、IMは約190万人いたとされる。
国民の1割以上が、秘密警察に関与していたことになる。
シュタージが残した600万件に及ぶ、東西ドイツ市民に関する個人データはシュタージ文書と呼ばれ、ドイツ統一後も保管され現在、国立の管理機関により管理され、個人的閲覧も可能である。
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なぜ、ここまで肥大した組織になってしまったのだろう。
東ドイツ時代、権力側にくみすることで身の安全をはかろうとした人たちが、東西ドイツ統一後は、密告者であった過去を伏せるために苦しんでいる。
ごく身近な人が密告者であり、自分を監視していたことを知り、人間関係にひびが入ることもあるという。
そのことを考えると、ベルリンの壁開放後、ヴィスラーが地味な生活の中で穏やかにキャリーバッグを引きながら歩いていた姿が胸を打つ。
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