面白かった。こういう作品、大好きです。
中井貴一の表情を見ているだけで楽しくなってしまう、1時間52分でした。
中井貴一、最高。
困ったことに直面した時の表情が、何とも笑えた。
********************
映画は、とにかく楽しんでみましょう。
『大河への道』
2022年5月20日公開。
原作は、立川志の輔の創作落語『伊能忠敬物語-大河への道-』
千葉県香取市役所観光課が観光の目玉に郷里の偉人・伊能忠敬を主人公とした大河ドラマを誘致しよう!と提案する。
しかし、とりかかってみると、「伊能忠敬は、日本地図を完成していなかった。」という不都合は事実が発覚。地図の完成は、伊能の死の3年後だった。
この作品は、伊能の死を伏せ、地図の完成に取り組む伊能の弟子たちと、それを支えた幕府の天文方・高橋景保の物語である。
俳優陣がいい。
中井貴一が市役所の職員と高橋景保。
このほか松山ケンイチ、北川景子、岸井ゆきの。現在の香取市役所の職員と、地図の完成に関わる人々のふたつの役柄を演じる。二つの役柄のキャラに共通するものがあり、楽しめる。
ちょっと出てきただけだけれど、現在の場面での千葉県知事と江戸時代の将軍役で登場したのが誰もが知っているかつてのイケメン俳優〇〇〇雄。ナイス・キャスティング!
良質なコメディ作品。地図の完成という地味な作業に全力で取り組む伊能隊のチームワークが見ていて気持ちよかった。
*******************
作品とは直接関係ありませんが、伊能忠敬と高橋景保について。
伊能忠敬のすごいところ。
航空写真もGIS(地理情報システム)もなかった江戸時代に、現地での測量から正確な日本地図を作った。
そして、この素晴らしい功績だけでなく、伊能忠敬が人間としてすごいところは、高齢になってから花を咲かせたということだと思う。
伊能忠敬は婿養子で、傾きかけていた伊能家を再興し、地域の窮民の救済にもあたった。
50歳で隠居し、家督を長男に譲り、江戸に出て幕府の天文方・高橋至時(高橋景保の父)に学ぶ。
このとき、忠敬50歳、師の高橋至時は31歳。
その後、56歳から全国を測量し、74歳で没。日本初の実測地図『大日本沿海輿地全図』は彼の弟子たちによって、その3年後に完成した。
婿養子に入り、名主としての仕事に尽くし、隠居後、新しいことを学び、挑戦した。
この人の人生を思えば、60代・70代でも、まだまだできることはあるぞと励まされる。
そして、高橋景保。
シーボルトに大日本輿地全図の縮図を渡してしまった人だ。
シーボルト事件により、投獄され獄死。
気の毒な末路ではあるが、シーボルトとの交流を持ち、シーボルトから贈られた本のお礼に地図を贈ったとか。すごく「いい人」だったように想像してしまう。でも、間宮林蔵との人間関係は悪かったらしく、彼の密告が、シーボルト事件の発端となってしまった。無念である。(どうしても、中井貴一の顔が浮かんでしまう。)
スポンサーサイト