「浅野大義さんに捧ぐ」
エンドロールのこの言葉を見て、最後にまた涙。
途中、何度も泣いた。
実話だということが、心に刺さる。
浅野大義という一人の若者が、20歳という短い人生を生き抜いた記録。
部活を頑張った高校生が病魔に襲われながらも、音楽を心の支えにして、師との心の交流や友情を大切にしながら、最後まで生き抜く・・・。
いままでも似たようなストーリーの作品はあったような気がするし、主人公が死んでしまう“お涙頂戴的な作品”はもう結構、と思う方もいらっしゃると思いますが、とにかく、見に行って損はありません。
実によかった。
前半の、市立船橋高校吹奏楽部のストーリーは、高橋先生(佐藤浩市)のつぶやき通り、まるで「昭和の青春」。
部員同士でもめて、雰囲気が最悪になったところで、大義くんが部屋を飛び出して、みんなもそれについて走っていく場面など、まるで1960年代に流行った「青春とはなんだ」や「これが青春だ」を見ているようだった。
だけど、それが実によいのだ。
時代は変わっても、若者たちが悩み、苦しみながら成長していく姿は、みていて「いいな」と思ってしまう。
後半は、一転、大義くんの病気との闘い。
私自身、4年前に抗がん剤治療を経験しているので、その時のことを思い出す。
医師にも看護師さんたちにもよくしてもらったので、感謝しているけれど、やはり病院は居たい場所ではない。入院中は、窓から外を見て、ただ普通に道を歩いている人を羨ましいと思ったのをおぼえている。
だから、大義くんが一度目の退院をして家に戻った時に、「やっぱ、うちはいいなぁ」といった気持ちがよくわかる。
このときの神尾楓珠の演技が、実感がこもっていて、うまい、と思った。
ガンは今では治療法が開発されて“治る病”になった。
しかし、再発は起こる。発見が遅れたり、できた場所によってはどうにもならない。さらに、若者の場合、進行が早い。
私は、病気治療中、辛くてへこたれた。
若い大義さんが、不安やくやしさを抱えながら、残された時間を強く生き抜こうとした姿に、心を打たれた。
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我が家は、千葉テレビが見られます。
今年の夏の甲子園の千葉県予選で「市船ソウル」が聞けたら、泣いてしまいそうです。
そして、できれば甲子園で聞きたいな。
神尾楓珠と佐藤浩市が素晴らしかった。
追記:翌日、別の映画を見るために、映画館の入り口のエスカレータを登っていたら、”市立船橋”の体操着を着た4人組の男子高校生が下りのエスカレーターで降りてくるのとすれ違った。(わざと、学校名の入ったウェアで来た?)
君たち、見てきたんだね。君たちの先輩だよ。今日は土曜だから部活帰りかな。自分の高校が舞台の作品を、友達同士で見に行ったことは、多分、一生おぼえているよ。
彼らが、おしゃべりしている姿が仲良しそうで、うれしかった。
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