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萩谷功枝

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『キング・アーサー』

中世騎士道物語として有名な「アーサー王と円卓の騎士」の原型を描いた作品で、時代は中世ではなく古代末期。
馬に乗ったアーサー王と仲間の騎士たちが丘の上を走っていく姿はかっこよく、アーサー王を中心に心を一つにしている騎士たちのまとまりが見ていて気持ちいい。
横暴な支配者ローマ、それに屈服しながらも、自由を求める戦いに挑むアーサー王たちという構図なのだが、歴史的な背景がわかっていた方がより深く楽しめると思うので、少々解説します。

かつてローマ帝国はブリテン島の南半分(つまりイングランド)までを支配領域としていて、そこには先住民のケルト系のブリトン人がくらしていた。
横暴な支配者ローマ、それに服するしかない弱小のブリトン人。さらにブリテン島に侵入を始めていたゲルマン系のサクソン人が、ローマ帝国を脅かしていた。登場人物を、ローマ帝国側の者、ブリトン人、サクソン人に分けてとらえるとわかりやすい。(ただ、ややこしいのが、ウォードというブリトン人の反乱軍。ローマに抵抗していて、美しいクヴィネヴィア(キーラ・ナイトレイ)は、弓の達人で、ウォードの兵士。)

ストーリー : 5世紀、ローマ帝国は衰退期に入り、各地からの撤退を進め、領域を縮小していた。
ケルト系ブリトン人のアーサー王やランスロットたちは、ようやく15年の兵役を終え自由の身になろうとしていたが、ここで支配者ローマから、さらに難題を課せられる。それは、ハドリアヌスの壁(ローマ帝国の支配領域の北端)の北側にいるローマ人貴族を救出せよ、というもので、サクソン人やウォードのいる地域を突破しなければならず、非常に危険な任務だった。
命令に従わなければ退役できない立場であることから、アーサー王は、仕方なくそれを受ける。

つぶやき : どの時代においても、強い民族と弱小な民族がいる。
(危険な任務は弱いものに押し付けられる。)
強い側に属しているものは、たまたまそっちの側に属しているというだけで、能力や人間性とは無関係に、ただ偉い。
大帝国ローマの横暴。弱小民族の誇り。

そして、伝説の英雄アーサー王はやっぱりかっこいい。

『キング・アーサー』
2004年のアメリカ映画
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