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萩谷功枝

Author:萩谷功枝
世界史教師をしています。

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『グッバイ、レーニン』

タイトルは以前から知っていたが、こういう映画だとは知らなかった。
TSUTAYAでDVDを借りてきた後、一気に見てしまった。面白かったです。

主人公のアレックスは東ドイツの首都ベルリンに住む若者。
彼の母親クリスティアーネは、夫が西ドイツに亡命して以来、その反動で、東ドイツで熱烈な社会主義信奉者になっていた。そんなクリスティアーネは、1989年10月、アレックスが反体制デモに参加しているのに出くわし、ショックで心臓発作をおこし。昏睡状態になってしまう。8か月後に彼女が目覚めた時、すでにベルリンの壁は解放され、東ドイツが西ドイツに編入される形での東西ドイツ統一は目前だった。
ショックを与えたら再び心臓発作をおこし命の保証はないと医師から言われたアレックスは、ドイツの激変をひた隠す。
母親に「社会主義は崩壊してしまった」、などということは伝えられない。でも、空には、コカ・コーラのロゴの入った真っ赤な飛行船が飛ぶ。撤去のため、レーニンの銅像がヘリコプターに吊り下げられて移動するのが見える。そのたびに、あわてて走り回るアレックスの姿がなんともおかしくて笑える。さらにアレックスはつじつまを合わせるため、友人と偽のニュース番組を製作し、社会主義が勝利して、西ドイツからの難民が東ドイツに流入していることにする。母親にショックを与えないための、涙ぐましい奮闘だ。

コメディタッチで、明るく楽しく見ることのできる作品。
アレックスが母親を思う気持ちにも好感が持てる。

それにしても、ベルリンの壁開放から東西ドイツ統一の頃のドイツ人は、社会の激変に対応するのが大変だったろうと思う。東ドイツの体制に不満を持っていた人はまだいい。東ドイツ側に住んでいて、東ドイツの国家体制が最高の国家形態だと信じていた優等生的市民にとっては、今まで信じていたものが崩れ去ったわけで、価値観を転換していかなければならない。それって、かなりきついことだったろうと思う。

『グッバイ、レーニン』
2002年製作のドイツ映画。

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