夫婦で安心して楽しめる作品 :      スポーツもの編

「夫婦で見て楽しめる映画、ぜひ教えてほしいです。」というコメントをいただいた。
嬉しい。
こういう反応をいただくと、俄然、それに答えたいと頑張ってしまいます。

Netflix、Amazonプライム、U-nextが普及した今、視聴可能な作品数も豊富になり、見ようと思った作品を検索すればだいたいの作品がヒットする。必要なのは何を見たらよいのかを選択するための情報だと思う。
そして、こういう時、頼りになるのが映画好きの友人のネットワーク。
「夫婦で安心して楽しめる作品」で、おすすめのものはあるか?と聞いたら、さっそく「スポーツものがいい。」という返答をもらった。

「なるほど。」

「夫婦で」と限定することもないのだが、あえてそれを入れたのは、一人で勝手に見る分には、その作品が重くても、暗くても、面白くなくても、自分のなかで消化できるのだが、だれかと一緒に映画を見るという条件をつけると、「楽しく安心して」という要素が加わると思ったからだ。面白くなかったりすると、選んだ相手に文句が言いたくなり、下手をすると喧嘩になるからね。

友人たちが挙げてくれたのは、「ラッシュ」や「クール・ランニング」など。
さらに、ネットで、「スポーツもの 映画」というキーワードで検索したら、『映画ランキング専門サイト』の「スポーツ系の実話をもとにした映画ランキング」という記事がヒットした。非常に参考になった。
いくつかは見ていたけれど、「スポーツもの」をあまり見ていなかったことに気づいた。
そして、この数日間、「スポーツもの」を見まくった。
以下、私の中でのランキングです。

1.『ラッシュ/プライドと友情』(2013年)
ラッシュ/プライドと友情

この作品を1位に挙げるとは、私自身も全く意外なのですが、良かったのです。
実は私は、ペーパードライバーで運転はまるでだめ、車にまるで興味がなく,車種の識別も全くできなくて、F1にも興味はないという人間です。勧められたので、なんとなく漫然と見ていたのですが、後半からラストにかけて、グッと来てしまいました。
ライバル関係にあったジェームズ・ハントニキ・ラウダ。ライバルがいたからこそ、お互いを高めあえた。そして、スタイルも価値観も全く異なる2人が、それぞれに大切にしているものがあり、生き方を選択していくところが素晴らしい。
なにより、F1好きの方は、レースの迫力に浸ることで満足できる作品だと思います。

2.『ルディ/涙のウイニングラン』(1993年)
ルディ

才能・体格・大学に進学する学力・経済力、これらのことに全く恵まれなかった主人公が、努力と熱意だけで夢を実現する。
そんなの無理だといいたくなるけれど、これも実話。
そしてやっぱりラストは感動的。


3.『タイタンズを忘れない』(2000年)
タイタンズを忘れない

1971年のバージニア州アレクサンドリア。公民権法成立(1964)後とは言え、まだまだ黒人への差別感情が根強い時代、州立高校で白人・黒人混合の高校フットボールチームができる。コーチのハーマン・ブーン(デンセル・ワシントン)のもと、最初は対立していた白人・黒人の選手たちが次第に協調していく。
そんなにうまく行くか、といいたくなるけれど、これも実話。スポーツの力は大きいのだ。まずは会話をしてお互いを知ることから始めようとしたブーンの指導力はさすがだし、リーダー格のゲーリーをはじめ、みんないいやつだな。


4.『ダンガル きっと、つよくなる 』(2016年のインド映画)
danngaru.jpg

インド映画は楽しい。
自分の娘をレスリング選手として世界大会で勝たせるまでに鍛え上げるお父さんマハヴィルにアーミル・カーン。(「きっと、うまくいく」の主役)。
レスリングは日本のお家芸であり、オリンピックでの吉田沙保里選手の試合などを何度も見てきているので、なじみのあるスポーツだが、この作品を見ていると得点や技について理解が深まる。この父と娘たちの関係を見ていたらアニマル浜口と浜口京子の父娘のことを思った。はたから見ているとあんな父親ではたまったものではないと思いがちだが、他人にはわからない深い愛情に支えられた絆があるのだろう。この父娘も素敵だった。

5.『クール・ランニング』(1993年)
クール・ランニング

南国ジャマイカが冬季オリンピックのボブスレーに出場。この設定を考えただけでも楽しくなる。1988年のカナダ・カルガリー大会に実際に出場したジャマイカ・チームの話をもとに作られた作品で、登場人物はすべて架空だそうだが、とにかく楽しい。
フィクションとはいえ、4人の選手の出場の動機にも、ラストにも納得。

6.『インビクタス/負けざる者たち』(2009年)
インビクタス

大統領になってからのネルソン・マンデラを描いたもので、前半は白人と黒人の和解を進めようとするネルソン・マンデラの取り組み。後半はまさにスポーツもの。
1995年に南アフリカで開催されたラグビー・ワールドカップ。イケイケどんどんで、南アフリカチームが勝ち進む。楽しい。
マンデラにモーガン・フリーマン。ラグビーチームのスプリングボクスの主将ピナールにマット・デイモン

7.『幸せの隠れ場所』(2009年)
幸せの隠れ場所

貧困地区で育ち、ホームレス状態だったマイケル・オアーと、彼を支え育てたリー・アン(サンドラ・ブロック)とその家族の交流。フットボールのゲームの進め方も知らなかったマイケルが、リー・アンの援助のもと一流のフットボール選手に成長していく。そして、マイケルとリー・アンの家族は大の仲良し。そんなにうまくいくかといいたくなるが、これも実話。

『コリーニ事件』

2019年のドイツ映画。
コリーニ事件



冒頭から、引き込まれる。

2001年のベルリン。ホテルの最上階のスイートルームで、経済界の大物MMF社長ハンス・マイヤーが殺害された。容疑者は、ファブリツィオ・コリーニ、67歳。ドイツで30年以上暮らしているイタリア人。
この裁判でコリーニの国選弁護人となったカスパーにとって、被害者マイヤーは少年時代の恩人で、トルコ系のカスパーを孫の友人として優しく支援してくれた人物だった。
被害者マイヤーが自分の恩人のマイヤーではあると知らずに、コリーニの弁護を引き受けてしまったカスパー。しかも、コリーニは黙秘を続け、何も語らない。

動機は何なのか?
コリーニとマイヤーの過去にどんな関係があったのか?

フランコ・ネロ
    コリーニを演じたフランコ・ネロ
***************

「法廷モノに外れなし」の言葉どおりでした。
見終わった後、いろいろ調べ、考えました。
考えなければいけないテーマを投げかけられたと思いました。

以下は、それについてです。
「続きを読む」のクリックをお願い致します。
(パソコンだとこの機能が使えるのですが、スマホだと、この機能は使えず、続けて全部表示されてしまうのがわかりました。すみません。作品を余計な情報なしでご覧になりたい方は、ここで読むのをストップしてください。)

続きを読む»

[脱出モノ」ベストの続き

先日のブログで『私の中での「脱出モノ」ベスト』を書いたら、いくつか反応をいただいた。
脱獄系では、S.マックウィーンの『パピヨン』(73年)もいいぞ、ニコラス・ケイジ、ショーン・コネリーの『ザ・ロック』(96年)はどうだ、邦題はひどいけれどポール・ニューマンの『暴力脱獄』(67年)というのも面白いぞ、脱出系ではやはり『ダイ・ハード』(88年)だろう、というご意見をいただいた。
「海外TVドラマの『プリズン・ブレーク』のシリーズがAmazonプライムで見られるよ。」など、情報をいろいろ寄せていただけるのは、ブログを書いているものにとって、とても嬉しいことです。

あくまでも個人の好みで「作品ベスト」を選んでいるので、偏りがあることはお許しいただきたいのだが、こうしたリストを作ると、「なぜこの作品が入らないのだ。」というご意見もいただき、自分の守備範囲を広くするための参考になります。

以前、『私の中でのトム・ハンクス作品ベスト』を書きました。
https://haginori55.jp/blog-entry-110.html
私としては戦争映画の最高傑作であると思う『プライベート・ライアン』がベスト1であり、そのあとトム・ハンクスが主演男優賞を勝ち取った『フォレスト・ガンプ』、『フィラデルフィア』となり、その後も社会派の作品がつづくのですが、やはり、ブログを読んでくださった方は、自分の好みの作品が入っていないと、一言いいたくなるらしいです。
それもまた、私にとっては嬉しいことなのです。
トム・ハンクスについては、初期の『ビッグ』などのコメディ作品のころからのファンの方もいらっしゃるし、『めぐり逢えたら』(Sleep in Seattle)、『ユー・ガット・メール』のようなラブ・ストーリーが好きだ、『ダ・ヴィンチ・コード』『天使と悪魔』『インフェルノ』のラングドン教授シリーズのような娯楽作品が好みだ、という方のご意見もいただきました。2020年の『この茫漠たる荒野で』もよかったぞ、というのも教えていただいてはいるのですが、すみません、いろいろ溜まっていて、まだ、見ていません。

楽しいので、これからも勝手なランキングを作ってみようと思っています。
考えているテーマはいくつかあるので、そのうちまとめます。
そして、最近、気が付いたことがあります。
我が家は、夫婦一緒に映画館で見ることは少なく(それぞれの都合と好みがあるので勝手に行きます。昨日も「ノマドランド」を一人で見てきました。)、また、配信されたものを家のTV画面で見るときも別々のことが多い(夫は夜型、私は朝型)のですが、『ダイ・ハード』シリーズや、トム・ハンクスのラングドン教授シリーズは夫婦で一緒に見ているのです。そして、「面白かった」という感想を共有しあえています。
というわけで、「夫婦で安心して楽しめる作品ベスト」というランキングもいいかな、などと考えているところです。

『1987 ある闘いの真実』

2017年の韓国映画
1987.jpg


韓国にとって1987年がどういう意味を持つ年だったのか。
1987年時の政権がどれほど酷いものだったのか。
それに対する民衆の反抗がどれほど強く不屈のものであったか。
それがよく分かった。

光州事件から7年後の1987年、韓国は依然、チョン・ドゥホァン(全斗煥)軍事独裁政権下にあり、反政府勢力に対する酷い弾圧が行われていた。
民主化推進派はひとくくりでアカ(共産主義者)と呼ばれ、弾圧の対象になっていた。
民主化推進派が求めていたのは大統領直接選挙
共産主義体制を求めていたわけではない。しかし、政権にとって都合の悪い人物は、すべて「アカ」と呼ばれ、北朝鮮のスパイとの疑いをかけられて、南営洞(ナミャンドン)の治安本部対共分室で酷い拷問にかけられていた。

そんな状態が7年間も続いていた。
そこで起こってしまったのが、パク・ジョンチョル(朴鐘哲)というソウル大生の拷問死
作品は、ソウル大生拷問死事件の起きた1987年1月14日以降の展開を日付とともに描いている。

解剖による検死もさせないで心臓麻痺としてこれを処理しようとする警察のパク所長ら、この事件をもみ消そうとする権力側の人達。
これに対して毅然たる態度で、拷問死という事実を明らかにしようとするソウル地検のチェ検事をはじめ、解剖を担当した医師、中央日報の記者たち。
これら多くの人達が、良心にしたがって、それぞれの仕事をし、暴力をも使った妨害にも屈せず、事の真相を次第に明らかにしていく。
後半は、高まっていく民主化闘争。ここから、投獄された民主派推進派と監獄の外で活動する民主化推進派との連絡役を担うハン看守と、彼の姪で女子大生のヨニが登場する。
実話をもとに作成されたこの作品の中で、ヨニだけが実在しない架空の人物である。
ヨニは当初、危険な民主化闘争にかかわりたくないと思っており、叔父のハン看守がやっている民主派推進派の連絡役に使われるのを嫌がっていた。そのヨニが、彼女が慕う学生活動家のイ・ハニョルとのかかわりを通して民主化闘争に目覚めていく。
民主化闘争が最高潮に達し、バスの車両の上に上り、腕を振り掲げるヨニの姿は韓国の一般民衆の象徴だと思う。

エンディング。酷い拷問や民主化運動での治安部隊との衝突で命を落とした人達の名前と、その追悼に集まったたくさんの人々の映像とともに、「この日来たりなば」が流れる。 
この作品のは韓国での原題「1987 When The Day Comes」となった曲であり、抵抗の歌、民主化運動の象徴の歌である。
感動的。
軍事独裁政権に抵抗する様々な人が、権力側の暴力や脅しに屈することなく、民主化を勝ち取っていった「1987」という年は、韓国の人たちにとって誇れる年なのだと思った。

******************
(補足)
作品は、それを描いている時代だけでなく、それを制作した時代も反映する。
この作品は2017年の作品であるが、それは、わずか30数年前のチョン・ドゥホァン政権の酷い弾圧を描くことができる時代になったということを示している。
(ただし、チャン・ジュナン監督は当時のパク・クネ(朴槿恵)大統領のブラック・リストに載っていたので、制作の企画は秘密裏に進められたという。さらに、制作の途中、パク・クネ政権の汚職が明るみに出て混乱したことも、この作品の完成に幸いした。)

私の中での「脱出モノ」ベスト

映画好きの夫の友人Kさんから「マイ・ベスト・ワースト」という映画のリストを送ってもらい、さらにKさんの先輩Sさんの「映画日誌」なる小冊子を送ってもらった。
KさんもSさんも年間に見る作品の本数が半端ない。とても追いつかないと思いながらも、見たいと思う作品が満載のリストをながめて楽しんでいる。
そのSさんの「映画日誌」に「脱出モノにはずれなし」「法廷モノにはずれなし」という言葉があり、まさに「同感!」と思った。
それならば、自分なりの「脱出モノ」「法廷モノ」のランキングを作ってみようと思いついた。

まずは、「脱出モノ」から。
自分のブログの過去記事をたどってみると、「脱出モノは私の好きなジャンル」と書いているものがいくつかあった。
今回はそのまとめ整理です。
ブログの過去記事については,それぞれの作品の下にURLを付しておきましたので、そちらも参考にしていただけたら嬉しいです。
1と4は「私の好きな映画10選」という過去記事で書きました。
https://haginori55.jp/blog-entry-63.html


1.ショーシャンクの空に
1994年のアメリカ映画
ショーシャンクの空に

これぞ、脱獄モノの最高傑作!
やはり、脱獄の方法はこれしかないかも。

 ストーリーの展開は激動で、途中、「えっ!」「えっ!」の連続なのに、淡々とした描き方で映画は進行していき、そして、見終わった後、なんだかわからない感動がジワッときた。見た翌日もそのまた翌日もいろいろな場面を思い出しては、「よかったな。」などとつぶやいて、作品の余韻に浸った。
無実の罪で投獄された主人公アンディ(ティム・ロビンス)が脱獄をはかるものなのだが、モンテクリスト伯のようなドロドロとした復讐劇ではない。主人公はあまりにも理不尽な運命にさらされるのだが、感情的になって悲嘆したり、絶望したりはせず、淡々とした態度をとりつつ、しかし諦めずに打開の方法を見出していった。
彼の粘り強さ、不屈の魂に圧倒される。人間とは強いものなのだ、そして人間の心は自由であるべきなのだ、と思った。
私は自分の状況があまり良くないとき、この作品のことを思い出してみる。そして、アンディの忍耐強さのことを頭に浮かべる。すると、なんだか励まされる。


2.大脱走
1963年のアメリカ映画。(今から60年近く前の作品。)
1960~70年代のトップスター、スティーブ・マックイーンの代表作でもある。
大脱走


第二次世界大戦中、ドイツ北部の捕虜収容所から連合軍の捕虜200~300名がトンネルを掘って脱出し、ドイツ中に拡散するという大脱走を企てる。
目的は脱走捕虜の収容のためにドイツ軍に労力をかけさせること。
前線で戦えない捕虜にとって、脱走によって敵の後方を攪乱するのは任務でもある。
収容所を脱出したメンバーは、自転車やバイクを盗んで逃走したり、川に出てボートに乗ったりとそれぞれの逃走劇をくり広げる。
明るい曲調の「大脱走のマーチ」にものせられて、捕虜たちの逃走を応援してしまう。
https://haginori55.jp/blog-entry-24.html

3.アルゴ
2012年のアメリカ映画。
ベン・アフレック監督・主演
1979年のイランでおこったアメリカ大使館人質事件を舞台とした作品。
ベン・アフレック


親米路線をとっていたパフレヴィー王がイラン革命により倒されアメリカに亡命した。イランの民衆の国王への反発は、アメリカへの憎悪の感情にまで発展し、人々は群衆となってアメリカ大使館前に押し寄せる。憎悪の感情を抱えた大勢の人によるエネルギーは恐ろしいほどだ。
この事件ではアメリカ外交官や海兵隊員とその家族計52人が人質となり、拘束された。解放されたのは事件発生から444日後のことであった。
事件発生の直前、間一髪でアメリカ大使館から抜け出したアメリカ外交官6名がいた。彼らはカナダ大使公邸に逃げ込み、かくまわれる。
この6名のイランからの脱出を描いたのがこの作品。
「脱出モノにはずれなし」の言葉通り、飛行機が離陸するまでハラハラ・ドキドキの連続だった。
途中、子供を使ってシュレッダーにかけられた6人の顔写真を復元してしまうシーンがある。ジグソーパズル1000ピースも完成する自信のない私としては、ここまでやるかと恐怖すら感じた。
https://haginori55.jp/blog-entry-23.html

4.キリング・フィールド
1984年のアメリカ・イギリス合作映画。
キリング・フィールド

カンボジアは1976~79年の4年間、ポル・ポト政権下で信じられないような滅茶苦茶な政策が行われた。知識人は弾圧され、農村で強制労働をさせられた。
この作品は、アメリカ人新聞記者シャンバーグとカンボジア人通訳のディス・プランの友情の物語。アメリカ軍の撤退とともにシャンバーグがディス・プランをつれてアメリカに戻ろうとするときのハラハラが前半のヤマ。偽造パスポートで何とかディス・プランを出国させたかったけれど、証明写真がうまく製造できない...。
後半は、カンボジアに残ったディス・プランが、ポル・ポト政権下の農村で、理不尽としか言いようのない環境のもとで生き抜いていく様子。ポル・ポト政権下では教師やジャーナリスト・通訳などのいわゆる知識人は弾圧の対象。ディス・プランは前職が何であったかを問われる誘導尋問もすり抜けて、農作業をしながら脱出のチャンスを狙う。そしてそこからの脱出劇。
ラスト。タイ国境にまで逃げ延びたプランが、新聞記者のシャンバーグとの再会を果たした時に流れるジョン・レノンの「イマジン」で、ボロボロに泣けてしまう。

5.遠い夜明け
1987年のイギリス映画
監督:リチャード・アッテンボロー
アパルトヘイトが行われていた1970年代の南アフリカを舞台とした作品。
遠い夜明け

前半は黒人解放活動家ビコ(デンセル・ワシントンン)と白人記者ドナルド・ウッズの交友。
ビコは知的で魅力的な人物。演説のうまさ、説得力、さわやかな笑顔。リーダーたりうる素養をもっている。白人社会を壊そうとは言っていない。白人と黒人が平等な南アフリカを作りたいのだと。そして、警察が行う暴力をやめさせたいのだ。
しかし、ビコは拘禁され、獄中での暴力が原因で死去。
ウッズは、ビコの死を調査し、それを公表しようとするが、政府、警察はそれを阻止する。南アフリカの現状を世界に訴えようとするウッズは亡命を決意。彼の行動を監視する警察。ここからは、ウッズと家族の脱出劇。
ウッズはまず南アフリカに囲まれた内陸国レソトに逃げ込み、家族と待ち合わせ、そこから飛行機でボツワナへ行く計画をたてる。
しかし、レソトからボツワナへは、南アフリカ上空を通過しなければ到達できない。
上空を飛んだら強制着陸させる、と脅す南ア政府。
「脱出モノにはずれなし」の言葉通り、ハラハラ・ドキドキの連続。

ラスト。飛行機のなかのウッズは、万感の思いで南アフリカの国土を上空から眺める。
ここで流れる「神よ、アフリカに祝福を」という曲が美しくてボロボロに泣いてしまう。
(この曲と「南アフリカの呼び声」という2曲と合わせて編曲したものを、1997年にネルソン・マンデラが南アフリカの国歌として制定した。)

エンディングでは、美しい南アの風景の映像の下に、拘置中に死亡した者の名前と死因が字幕で延々と流れる。
その数の多さ。明らかに嘘であろうと思われる死因。
(首つり自殺、転落死、転倒死...。そんなはずはない。獄中での暴力によるものでしょう。)
https://haginori55.jp/blog-entry-18.html

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以上、私の中での「脱出モノ」ベスト5をあげてみました。
「ショーシャンク・・」以外は、すべて歴史的な背景があります。戦争、革命、信じられないような悪政、差別と弾圧。それを描いた作品であり、脱出劇を盛り込むことで、見ているものを飽きさせない展開になっています。
少々&かなり古い作品ばかりになってしまいましたが、どれも素晴らしい作品だと思います。
プロフィール

萩谷功枝

Author:萩谷功枝
世界史教師をしています。

映画や本の紹介、最新のニュースから感じたこと、など自分の日常を通して、世界史のことを考えていけたらと思います。

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